3.《ネタバレ》 5話構成で分割されたテレビ放送で視聴。
日本アニメの下請けで鍛えられただけあって、
道中で移り変わる中国の原風景がジブリテイストだったり、
ドラゴンボールやマーベル映画を彷彿とさせる市街戦が繰り広げられる。
キャラデザも言わなければ日本アニメと勘違いしてしまうくらいの親和性がある。
日本アニメと中華文化の良いとこ取りがプラスに働いた形だ(悪く言えば、オリジナリティは低い)。
当初、シャオヘイを家族のように受け入れたフーシーは、
その力を反逆に利用するヒールとしての側面があるが、
シャオヘイに対する愛情は本物であり、絶対的な悪ではない魅力があった。
一方、残されたシャオヘイを無理くりに連れ出し、一見ヒールに見えた執行者のムゲンも
不愛想ながらコミカルさが表れてきて、敵対関係が次第に疑似親子的な師弟関係になっていく。
シャオヘイはどちらの未来を選ぶのか。
言わば、壮大なスケールで描かれる親権争いである。
単純に映画としては面白いが、プロパガンダ的な側面が微かに感じられる。
人間と自然の共存も、執行者の設定と活躍も、
現代の中国社会ならではの、どこか後ろめたい暗喩を感じてしまう。
(そんなこと言ったら、日本のテレビ時代劇もほとんどが権力者側が主役である)。
今後、2本の劇場版が作られるがどうなっていくか注視したい。