1.《ネタバレ》 父の葬儀で親戚一堂が集まり、どんなご馳走が出るのかと楽しみにしている皆の前に出されたのは目玉焼きだった。唖然としている皆をよそに、そこから目玉焼きに纏わる父と子の思い出が語られて行くという展開で、グイグイ引き込まれた。
父親が連れて来た新しい家族。突然母と兄が出来た事に戸惑う姉と弟。
最初はギクシャクして気まずかった一家の光景がやがて笑顔の絶えない明るい光景に変わって行く、そこにはいつも料理があった。
味噌汁を巡って喧嘩した時の母の折衷案。
焼きいもをきっかけに深める兄弟の絆。
誰しもが思い出に深く刻まれた料理ってあると思う。そんな記憶を呼び覚ましてくれるような優しい物語……だったのだが、中盤に思いもよらぬ爆弾を投げ込んで来た事で、急にシリアスで重い展開になっちゃって、そこからはもうその事しか考えられなくなって、あ~そういう狙いの映画だったのね?と理解。真実を知ってしまった後の兄の心境はいくばくだったのか?その辺はしっかり描いて欲しかったけど、想像するだけで辛くなった。
本作は役者陣がとても良い。
染谷将太と戸田恵梨香の姉弟役がとてもハマっていて良かった。
さらに、子供があれだけ大きくなってるのに全く老けていない母親役の斉藤由貴。波紋使いに違いねぃ。
そして、満を持して登場した兄役の窪塚洋介。彼が出てきただけで空気が変わった。凄いオーラ!
永瀬正敏は安定の素晴らしさ。
子供時代の森七菜の演技もとても良かった。
最後に!すき焼きに食べるラー油を入れるとか邪道過ぎない?(笑)
しかもそれを病人に食わせるとは冒険し過ぎ…。