2.《ネタバレ》 「怖い映画だと知った上で観ていると、いつ怖いシーンが出てくるのだろうか?とか、そういう警戒心みたいなのを持って観ていると、そういう観客の想像力を膨らませる様な見事な演出が随所に散りばめられていて、ますます怖くなってくる。」
怖い映画という先入観は、上記のう様な現象を巻き起こす。
そういう観ている者の恐怖心を、煽り立てる演出が、誠に素晴らしい!
この映画の恐怖は、まさにこの部分に集約されているのだ。
怖かったけど、さすが三池!!って感じで、満足できた。
前半の「恋愛映画のような」部分も楽しめたし、控えめなトーンの映像も素晴らしい。
三池作品の中では、間違いなく傑作の部類に入ると思われる。
個人的に一番、怖かったシーンは、最後のシーンではなく、
「ヒロインの住む、めちゃくちゃ汚なくて古いアパートの一室の映像に突如切り替わり、BGMには風が吹く音の様なゴォーーーーという非常に気味の悪い音が流れ、異常に汚い畳の上に、意味不明な大きな麻の袋が置いてあり、その横でヒロインの女性がうなだれたまま、身動きひとつしない。」
というシーンだった。
三池作品によく出てくる、「異常に汚いアパート」の空間も怖いし、BGMもめちゃくちゃ怖かったっす。。
余談だが、オーディションを行うシーンの中で、
「タルコフスキーの映画は観たことがありますか??」
と、質問をするシーンがあるのだが、妙にツボにハマってしまった。
ちょうど、タルコフスキーの作品を観まくっている最中なもんで。。