3.《ネタバレ》 本作品は、個人的に注目株の、クイーンズ・ギャンビットでやっとメジャー方面の作品でヒットを飛ばしたアニヤ・テイラージョイのヒット後最新第1作が観れるぞ! という期待で観に行きました(そもそもそういうスタンスが、作品テーマ的にキモイと思われるのかもしれませんが、すみません)。
その期待は裏切られることはなく、あとで気づいたのですが、あのベイビー・ドライバーのエドガーライト監督作品で、相変わらずのポップでスタイリッシュな映像に、主人公が聴いてる音楽がそのまま映画の曲になる没入度を上げる音楽表現に、深刻になりがちなエピソードも明るく表現する手法で、あと主人公が相変わらずオタク的立ち位置の人物を前向きかつカッコよく描いてくれており、非常に居心地の良い作品で、楽しんで観られました。
ストーリーについては、正直、半世紀前のロンドンのソーホーと言ったら、そりゃそういう話になりますよねというのがそのまんまいった感じで、日本だったら吉原とか歌舞伎町とかの界隈の話みたいなのになるわけで、それが邦画だったり洋画でも以前だったら湿っぽく妖艶に描いてたであろうものを、主人公(現代)の青春成功物語にからめることで、カラッと明るく描く方向に振られてたので、話に深みがあるかと言えば「そんなに」という感じでしたでしょうか。そこまでの作品ではないかな。
主人公(現代)のトーマシン・マッケンジーについては、ジョジョラビットでユダヤの少女をやってた関係であまり垢抜けない素朴な印象しかなかったのですが、本作の変貌ぶりで、ちょっと面白い新人女優さんかもと思ったりなんかしました。今後の活躍にも注目したい。
あと、アニヤ・テイラージョイは、映画「vvitch」以来ホラーもの映画によく出てて、だから本作のようなホラー系の方が本流で、クイーンズギャンビットみたいなのはむしろこれまでの出演作としては異色かなあとは思ってたのですが、ただホラー系が多い+そこに恋愛要素を絡めてくる話も多い=ホラーで出てくる恋人役にはろくな奴がいなくて不憫、という扱いがあって、本作でもそんな感じで、たまには報われるベタな恋愛ものにも出させてあげた方が良いんじゃないかと思ったりなんかしましたが(クイーンズギャンビットもアレだったし)、最近出たらしい「エマ」という映画ではベタベタ甘々な恋愛ものをしてたので、まあいいかと思ったりなんかしました。
そんなところです。