2.《ネタバレ》 とにかく、超豪華なキャスティングに驚く本作。
出演料だけでもどれほどかかったのかと、下世話な想像をしてしまうほど…
ブラックコメディとされる本作だが、扱うテーマが彗星衝突による地球滅亡なだけに、コメディ要素よりも相当ブラック色が強いことを覚悟して鑑賞するべき作品。
彗星が地球に衝突するというプロット自体は使い古されたものだが、本作ではよくあるヒーローや、地球を救うために立ち向かう人々はほとんど描かれず、現実をまともに見ようとしない大統領や、視聴率しか考えないテレビ番組、自社の利益誘導しか考えない巨大IT企業のCEOとか、真実を訴えようとする科学者を揶揄するSNSとか、「今」の世界(というかアメリカ)を風刺しまくる内容に、笑いよりも恐ろしさしか感じない。その点では冴えまくった感性を感じる映画だ。
最後、冷凍保存技術で地球を脱出して、生存可能な惑星に降り立った有力者たちが、皆中高年というところも、バカバカしくて全く笑えない。
決してハッピーエンドではないし、胸くそ悪い気分で観終わるため、評価が分かれるところだが、地球の危機は決してSFの世界とはいえない今、世界の指導者やマスコミ、巨大企業の経営者にはお願いだから一度鑑賞していただきたいと思った。