3.《ネタバレ》 村一番の秀才が徴兵検査に落第し、しかもその理由が肺病。
当時の時勢を考えると、村人の反応も仕方のないところかもしれない。
しかし、その復讐として計画的に三十人を手に掛けるという思考がどう考えても尋常ではない。
だからこそ、閉塞的で陰湿な村八分も描きつつ、主人公が心中の鬼と向き合う姿をもっと見てみたかった。
古尾谷雅人はその点でエキセントリックな芝居もできそうだし、脇を固める役者も粘着質で野太い演技ができそうな人ばかり。
彼の復讐への引き金を引いた分水嶺が描かれていれば、ラストの大量虐殺はある種のカタルシスになったかもしれないが、軽い仕返しのノリに終わってしまった。
そこが残念。
単なる村人への復讐を超えたものがある気がするんだけど。
女優陣は豪華で、五月みどりなんてもう反則の色っぽさ。あんな誘われ方したら、そりゃ行っちゃうよね。
惜しむらくは、大場久美子様が中途半端な役で終わったこと。もっとちゃんと扱ってよ。