6.《ネタバレ》 ん~、邦題は何とかならんかったのか・・・
音声は原語での字幕鑑賞だったのですが、seedを字幕では血筋と訳しており、だったら邦題も「悪い血筋」とした方が・・・とも考えましたが、それも露骨でイマイチ過ぎる。
ストーリー前半はローダは殺人を犯したのかというテーマで話が進みますが、遠足の現場の状況が一切画面に提示されないこともあり、観る側としては推理小説を読み進めていくように誘導されている印象を受けました。
やがて、モニカの精神分析論や犯罪に詳しい友人、実父のエピソードなどが乗ることで単なるミステリーでは片付かない様相を示します。
シンプルにローダの疑惑を解き明かすストーリーだけでも十分に良作になりそうなところ、上記の血筋のエピソードやそれによる母親の苦悩を重ね合わせることで、より深みのある物語として仕上がったと言えるでしょう。
ストーリー以外においても、子供vs母親、子供vs庭師のやり取りも脚本が良く出来ているのが感じられましたし、また室内メインの物語の中でも画面に奥行きを持たせる意図を持った人物配置による構図が多用されていたりと、カメラワークにおいても良い仕事をしているという印象です。
映画のラストは、子供にも容赦なく天罰を与えてしまうというショッキングな締め方でしたが、ここは原作を忠実に映像化するよりも上手くアレンジした落としどころはなかったのかと悔やまれるところです。
蛇足ですが、監督のマーヴィン・ルロイという人はどこかで聞いたことのある名前だなと思い調べてみると「オズの魔法使い」を手掛けた監督。子供の演技指導などはお手のものという事なのでしょう。