45.《ネタバレ》 主演の二人はいわゆる「不良」であって、どうしても共感しづらい部分はあります。恐喝。暴力。真面目に頑張っている人間を不真面目な人間がたいした理由もなく傷つけ蹂躙しちゃうってのは見ていて腹立たしい。それでも見ているうちになんとなく二人を、とりわけシンジ君を応援しちゃうのは、二人がボクシングに出会ってからひたむきに頑張る姿を見てしまったからでしょうか。 ただこれにはいわゆる「不良君が良いことすると100倍良い人に見える」という心理が働いているのかもしれません。だって普通に考えれば、学生の頃から恋も就活もまじめにがんばっていて、ラスト辺りでタクシー田んぼにつっこんだ彼のほうが偉いと思うんですよ。なのに、この映画では主演の二人にスポットライトがあたっていて、サクセスストーリーではないけれど、二人にやっぱりなんとなく魅力を感じてしまう。そして田んぼにつっこんだ彼のようにはなりたくないと思ってしまう。二人にはラストで希望が残されましたけど、じゃあ彼は?冷静に考えれば理不尽ですよねー。 でも、その理不尽さってのは、映画の面白さには全く関係ないようです。この作品は面白いんです。鑑賞者が当事者意識を感じるようなリアルな雰囲気で、自分が経験したことのない人生をほんの少し疑似体験できるところが魅力的ですね。 今までに見た、群像劇のようなストーリーでは、この作品がそれぞれの終着点を描いていてすっきりしました。もちろん、その後もそれぞれの人生は続くという余韻を残しての終わり方も良かったと思います。 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-11-25 01:41:36) (良:1票) |
44.《ネタバレ》 北野監督が初めて撮った青春映画らしいのですが、今更ながらに既視感の無い青春映画でした。極端な成功や失敗が描かれていません。達成感とか願いが叶うとか、あるいは絶望するとか、そういう映画的なストーリーから離れたところに本作の見応えを覚えました。 作品の中で、人が成長している印象がありません。シンジ君が良い例です。ボクシングは上手くなっても対人的にオドオドした態度は変わらず、他人の言葉に流されて生きている。曲折はあっても、生き方のベクトル自体は簡単には変えられないものです。 でも、作品を締める言葉は「まだ始まっちゃいない」です。流した汗や努力の量に必ずしも比例しないのが人生ならば、挫折を繰り返しても諦め切れないのが人生なのです。エンディングで高校時代と同様にチャリに跨る二人の、決して順調とは言えない現状と台詞のギャップこそが、人生そのものだと思いました。 それは別に「青春」だけの話では無く、すべての年代に普遍する真理だと思います。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-09 01:26:42) (良:1票) |
43.《ネタバレ》 ビート・たけしとして他の監督の作品に出演する映画は観た事がありましたが、北野作品はこれが始めてです。 率直な感想は思っていたより画が良いと思った。しかし、好きか嫌いかでは嫌いな方ですね。自分には。 興味はそそられて決してつまらなくは無い。でも、これは元々ボクシングとか、ヤクザとか、不良とか、人を追い越してゆくサクセスストーリーがそういう要素を持っているのだと思います。そこに北野武らしさの画が挟まる部分でいい感じになるのだと思った。これは監督の夢憧れと挫折なのかな?人々の実体験で共感できる部分はありそういう点での作り方は良いというかずるい。もう1つ何が言いたいのか伝わりづらいと思った。人生なんて真面目にやっててもこうなっちゃう?しかし、それはそれぞれが呼んだ因果だと思うので、それぞれが本当にやりたい事をしっかり見つけ出していれば、映画中の漫才師のように成功しているという事なのかな。どれも成功とは派手な到達点を良いと思っている価値観にとらわれているのが自分にはちょと違うように思える。 【森のpoohさん】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-09-23 03:37:07) (良:1票) |
42.《ネタバレ》 ラストシーンのあの言葉に全てが集約される。未来は相変わらず霧の中。それでも一握の希望を武器に手探りで歩いて行くであろう2人。その国の空気を知りたければその国の若者を描いた映画を観ればいい、と私は思う。なぜなら若い人というのは、自分を取り巻く世界について誰よりも敏感であるから。彼らは閉塞感も失望も希望も、大人よりもずっと上手く体現する。この作品はそういう意味で日本の若者の本質を見事に描いていると思う。キャストについては議論が繰り返され、皆が「あいつはやめた方がいい」と説得する中、北野監督は「いや、こいつでないと駄目だ」と1人、当時まだ無名の安藤政信を推したとか。結果的にとても良かったと思います。金子賢も素晴らしかった。 【ひのと】さん 7点(2004-01-14 17:44:01) (良:1票) |
41.《ネタバレ》 才能あるアイツはボクサーに、才能ねぇオレ様はヤクザに。アイツはチャンプに、オレ様はオヤビンに…なれなかったけれど最初と同じ場所に戻ってきたフタリ。回帰、輪廻。人生100年、まだ始まってね~んだよん。粗削りながらも北野武監督の良作。 【獅子-平常心】さん [DVD(邦画)] 7点(2019-06-15 01:51:50) |
40.《ネタバレ》 男子高校生青春ドラマ。 ほとんど予備知識なしで鑑賞。金子賢がでていて、ボクシングと聞いていたので、 金子賢がボクサーになるのかと思いきや、その友達のひょろっとしたほうがボクサーに。 腐ったしまった若者にまだ間に合う、まだお前の人生はじまってない!というメッセージ性を感じました。 【へまち】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-08-13 14:09:04) |
39.《ネタバレ》 北野作品のなかでも数少ないほのぼの感のある作品。ボクシングはやったことありませんが、才能がある人はこんな感じでハマっていくスポーツなんでしょうね。私なんかは、観ながら何の目標があって続けてるんだろうと思いました。金子賢もヤクザになってしまいましたが、最後まで爽やか感があってよかったです。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-09-25 12:21:26) |
38.《ネタバレ》 陰鬱な流れを一気に瑞々しい日々に変えてしまう。最後のせりふは逆転サヨナラホームラン。あんまりキマリすぎているため、これを言わせたかったから撮った映画じゃないのと思ってしまう。また、俳優・金子賢のキャリアもキメてしまったかのようです。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-12-30 08:27:54) |
37.《ネタバレ》 決しておりこうさんじゃない二人の主人公の青春と挫折のストーリー まったく違う話だけど「モンスターズ・ユニバーシティ」を思い出した どうしようもなくバカな二人の挫折の話だが妙に爽やかな気持ちになる 主人公の二人だけではなくて高校時代のクラスメイト達の人生や挫折も同列に描くのはなかなか巧い 北野映画特有の超短いシークエンスでクラスメート達のその後を印象的に描くのはバツグンだ エロ映画館にいろんな奴が繰り返しバカな仮装して現れるとか、成人映画のタイトルが「悶えろ青春」だったり、くだらない北野ギャグも健在 久石譲の音楽も抜群 ストーリーの説明がまったく無い上にセリフが聞き取りにくいのでヘッドホンとかで集中して見たいと思った バカな二人を見ているだけで遣り切れない気持ちになるが、いつもの北野映画に比べるとずっと希望がある 北野映画は「世間は常に甘く無く、人生は残酷である」ということを繰り返し描くがこの映画は二人が若いだけに希望がある ラストにシンジが「俺たちもう終わっちまったのかな?」と聞くとマサルが「馬鹿ヤロウ、まだ始まっちゃいねーよ」と答える 「そうそうお前達はまだまだこれからだよ」といってやりたい一作 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2014-10-10 18:54:22) |
36.北野武監督作品は何本か見てどれもつまらなかったのであまり期待していませんでしたが、これは結構面白い映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-09-12 18:19:51) |
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35.セリフだけでは感じ取れない2人の心境を自然と感じ取れる点は素晴らしいと思った。ラストシーンがとにかく印象的でこの映画の言いたかったことのすべてだと思う。 【しっぽり】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-11-16 19:33:26) |
34.ストレートな内容で惹きこまれる。ラストのセリフがとにかくインパクトあり秀逸。 【noji】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-03-16 09:56:46) |
33.《ネタバレ》 単調で変化に乏しいアート系映画を多く撮っている北野武作品は、個人的には苦手なのだけど、この作品は割合と好きなほう。相変わらず、淡々とした事実だけが美しい映像のなかを静かに流れていく手法が、二人の青年の鬱屈した青春の日々と絶妙にマッチしている。どこまでいっても閉塞感から抜け出せない現実のなかで、それでも生きることを肯定的に描き、それがとても良い余韻を残す。この後の北野作品は、そんな肯定感を放棄してしまって、ただ絶望感だけを描いているような気がしてならないだけに、この作品はいまも光っている。 【かたゆき】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-06-14 16:08:00) |
32.北野武監督の乾いたタッチが素晴らしいです。 良い役者がたくさん出ていますね。台詞回しも心に残ります。突き抜けきれない閉塞感が全編を覆っているのですが、鑑賞後に、未来を爽やかさに感じさせてくれます。 【ジャッカルの目】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-02-08 23:31:54) |
31.《ネタバレ》 武映画全体に共通して言える事だが、どうも武映画には独特の閉塞感がある。ソナチネやHANA-BIの時はその閉塞感がうまくハマっていたのだが、今回はどうもハマり過ぎていて、観るのが本当に辛かった。キャラクターのダメさが自分を見ている気がして…。それだけにあのラストシーンは本当に輝いて見えた。挫折に打ちひしがれても消えない2人の笑顔が眩しくて…。そこで畳み掛けるように流れる久石譲の楽曲はEDと相俟ってそれまでの閉塞感を吹っ飛ばすくらい良いものだった。 【bolody】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-05-15 23:42:47) |
30.弱い自分と周りの影響で挫折しても、いくらでもやり直せる。 オールドボクサーハヤシの駄目さ加減がすごいリアル。 音楽がすごく印象深かったので+1点。 【Yu】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-04-18 19:54:45) |
29.途中までは若者のサクセスストーリーでしたが、それでおわらないところが逆に印象深かったです。しかし、ハヤシは憎らしかったですね。ラストの校庭のシーンで、少し救われました。 |
28.北野武映画はほとんど見たことがなく、 内容にも偏見があったのだけど、これは面白かった。 エンターテイメントとしては少し弱いかもしれないが、 地味ながらもどの登場人物もしっかり描かれていて好印象。 やはり誘惑に負けず地道に努力し続けられる奴が最後に残るんだな、と思った。 【邦画好き】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-07-21 09:47:45) |
27.テンションおさえめの青春群像です。恋愛などの甘酸っぱさは完全に排除されていて、クールで良いです。淡々としすぎて最後までなんか釈然としないけれども、こういうもんだよな、という現実を冷静にとらえた良作だと思います。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-01-29 14:52:37) |
26.どうにかしようともがいてみてもどうしようもないことってやっぱあって、それに気付いて絶望すんだけどそこが終わりじゃなくて、実はそっから全てが始まるんです。 ってことを言ってました。 【魚】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-04-20 03:01:37) |