32.アラン・パーカーの映画作りは相変わらずお上手で、この映画も社会派作品でありながらハラハラと手に汗握りながら楽しむことができます。「社会問題を誰でもわかる娯楽映画にしてみんなに啓蒙する」ということはハリウッドのお家芸ですが、本作はそんなハリウッド伝統の良心作に仕上がっていて、文句なしに面白い映画だと評価できます。。。ただし製作者に自覚があるのかないのか、同時にアメリカ人の無神経さも出てしまっています。ロバート・ケネディの命を受けたFBI捜査官が南部の田舎町に現れ、救世主の如く黒人を救う物語なのですが、悪いことは南部の田舎者に押し付け、自分達は正義と平等を愛する美しき精神の持ち主ですと言わんばかりの姿勢。「差別はあった。でも悪いのは偏狭な田舎者で、大多数の白人は善人ですよ。ほらこの通り、僕達は差別主義者をこらしめるよ」という居直りのような映画だなぁという印象を持ちました。なんせ、KKKを演じているのがブラッド・ダーリフにマイケル・ルーカーにリー・アーメイですよ。「悪人です!」と言わんばかりの面々。差別問題ってそんな単純な問題じゃないでしょ。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2010-11-27 22:16:24) (良:1票) |
31.《ネタバレ》 もうこんな差別やめろよ!なぜ憎むの?何が不満なんだよ?色々考えさせられるけど、一番感じた事は、怒ったハックマンにひげを剃ってほしくないという事。(そんなんでいいのか?) 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(吹替)] 7点(2004-09-22 02:06:52) (笑:1票) |
30.なんでイギリス人のアラン・パーカーがこんな映画を撮ってるんだろう?という不思議はさておき、つい2、30年前までこういうコトが本当に起こっていた事実を世間が葬りかけた頃になって寝た子を起こした心意気は買います。ちゃんと面白いし、後で見返してもついつい最後まで観てしまうぐらいのしっかりした作りでした。どちらかというとアウトロー的なイメージの強いウィレム・デフォーがエリート捜査官で、ジーン・ハックマンが叩き上げというキャスティングも面白いし、いかにもな南部のホコリっぽいムードもうまく出ている。どうでもいいけどフランシス・マクドーマンドと朝丘雪路って似てませんか。 【anemone】さん 7点(2003-11-29 23:32:04) (良:1票) |
29.《ネタバレ》 KKK白人至上主義を題材にした代表作。 人間同士、こんな憎しみ合わなければならないのでしょうか。 皮肉にも自由の国・アメリカは黒人奴隷制度を都合よく利用してきた苦しみで成り立っています。 アメリカ南部の悪しき風潮には反吐が出ます。 ジーンハックマンと若きデフォーの熱演にも注目。 中々反りが合わない二人だが、負の歴史に真っ向からぶつかり、 人種差別主義者と対峙するときは排除に力を結集する。 敵がこんなに憎いとより痺れますね。 |
28.《ネタバレ》 1964年、ミシシッピの自由の夏、KKKに消された3人の公民権運動家の事件をベースにはしています。 そして映画としては、FBI役の荒くれハックマンと若きデフォー先生が、悪徳ハートマン軍曹が牛耳る街にしてKKKの巣窟に勇ましく乗り込んでいくという、たいへん高い娯楽性も併せ持っています。人相の悪い俳優たち全員集合! ですかね。キャスト全員、悪役にしか見えんぞ (笑) 実際のFBIはここまで黒人に協力的ではなかったようですが、映画はこれでいいと思う。「真実」 だけを知りたければ、当時の新聞でも文献でも探して読むことをオススメしたい。他にも映画的な脚色はあるでしょうが、「こういう事件」が確かにあって、歴史が大きく変わったこと。そして、この映画によって黒人差別という負の歴史を後世まで伝えようとしていること。そこが最も大切。 冒頭のカーチェイスから始まり、自動車が登場すると物語が動くという、映画的なこだわりもあります。やはり最後も、焼け跡で黒人と白人の公民権運動家? たちがゴスペルを歌う姿を見届けて、二人は車でミシシッピーを後にします。 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-04-05 12:00:06) |
27.《ネタバレ》 悪玉のイメージがあるジーン・ハックマンだが、ここでは善玉。ただの善玉ではなく、規則から外れた乱暴も辞さないところが頼もしい。 ともかく絵に描いたような極悪差別主義者と何の瑕疵もない可哀相な黒人という構図。実話に基づいた作品というが、いろいろフィクション部分もあるようだ。ただ、KKKなどの異常な黒人迫害があったことは幾多の事例もあるので客観的な事実だろう。信念に基づいて悪びれてないところが、カルト教団特有の恐ろしさと気味悪さを感じる。 その反面、現代の黒人暴動や犯罪などを見ると、反差別が黄門様の印籠的に使われて免罪符に利用されるケースもあるように思える。例えば、忘れられないのは沖縄で黒人三人の米兵に小学生の少女が暴行され大きな騒動になった事件。事件も衝撃的だったが、加害者家族が人種差別によるでっちあげだと主張したのには呆れ果てた。あまりに頭にきたのでよく覚えている。 自分が被害者の親なら、犯人と人種差別を主張した家族を殺してやりたいと思うに違いない。それは相手が黒人だとか白人だとかは関係ない。 今でも差別じゃないものまで何でもかんでも差別だ、ヘイトだと騒ぎ立てる人達がいるから、それらへのアレルギーもある。反差別は当然のことだが、それに乗じてくるものに警戒心が働いて、検証もなく丸々信じて受け入れることには抵抗がある。 この映画も何のフィルターもなく事実のみで作られたわけではないだろう。それでも、真摯に反差別に取り組んだ当時の人達には素直にリスペクトを感じる。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 7点(2017-12-26 22:41:40) |
26.冒頭の水飲み器の映像が印象的だ。元は1つなのに、2つに分かれた一方のWHITEは冷却水、他方のCOLOREDはそのままの水道水、予備知識がなくても人種差別を扱った映画だとすぐわかる。事実、映画は1964年に起きた3人の公民権運動家が殺害事件を基にしていて、米国南部に根強い黒人差別やKKKの恐ろしさを肌で感じることができる。だが、映画はこうした問題を真正目からとらえたノンフィクションものというより、たたき上げのベテラン捜査官と大学でのエリート捜査官の捜査が中心で、理論より実践が優るということか。あとで知ったのは、実際はFBIが差別問題には消極的だったということ。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-10-05 20:38:39) |
25.《ネタバレ》 1964年のこととはいえ、この人種差別はひどい。現在のアメリカでも場所によってはこれに近いこともあるだろうし、ここまであからさまではなくてもやはり人種差別というものは存在すると思う。それはもちろんアメリカだけでなく、世界中に、そして日本にも、、そしてやっぱり自分の中にもあるのだろうなって思う。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-09-28 21:18:37) |
24.《ネタバレ》 ジーン・ハックマンの捜査官が、世間話をして相手に近づき、情報を得ようとするあたりは「刑事コロンボ」みたいで面白かった。しかし終盤になるとポパイみたいになりますね。ああいう方法をとるというのはいかにもアメリカらしいです。結局最後は暴力に頼ると。 本作で扱われている「差別への抵抗」という問題は、今の日本でも生きていますね。学校でのいじめとか。昨今では、自分の気にくわないものは存在を認めず、相手が人間なら簡単に「死ね」と連呼するような風潮がありますが、そういったことに対しても一石を投じそうな映画です。そういう点からして、今でも(今後も?)存在意義のある作品だと思います。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-05 10:56:36) |
23.ペル保安官補の妻の強さに、強く心打たれた。この話が、相当史実を曲げたものである(実際にはFBIはなにもやらなかった)ということを聞いて、かなり失望したことは別として。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-23 08:15:42) |
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22.ジーン・ハックマンの迫力。どうしても最後は王道パターンに行き着くが、ラストシーンは黒人だけではなく白人も燃えた教会の跡地で聖歌を歌い、かすかな希望が見える。しかしそのあとに映し出される無数の黒人の墓は、その希望の前にどれほどの命が犠牲になったかも雄弁に語っている。FBIの彼らにできる仕事はもう無い。だから彼らは満足も笑顔もなく立ち去るのみなのである。法だけで全てが解決するという能天気な考えではないことは明らかである。事実と異なるという意見もあるが、史実を描くのが映画ではない。それどころか、登場するFBIに黒人が一人も居なかったのはむしろ史実に敏感だったのではないか。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-08 17:56:20) |
21.《ネタバレ》 最近公開された「ヘルプ~心がつなぐストーリー」を観て思い出したのが、同じディープサウスを舞台にした「フライド・グリーン・トマト」とこのサスペンス映画。おそらく意識的に、わざわざそういう顔つきの素人を現地エキストラとして集めたに違いないと思われるほど、事件を無表情に傍観しているだけの「普通の白人住人たち」の貌つきが、皆病的でやたら怖い。彼らのこの不気味な表情が、かつてこの州に蔓延していた狭量な偏見そのもののようにも見えてくる。ハックマンとデフォーはほぼ互角の白熱した演技を披露。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-05-09 22:29:24) |
20.ジーン・ハックマン演じるFBI捜査官の活躍で事件は痛快な解決に終わる。しかし、黒人の公民権が確立されていないこの時代、陰には数百倍の未解決事件があったろうことが容易に想像でき、胸が痛む。 【次郎丸三郎】さん [ビデオ(吹替)] 7点(2012-01-28 17:51:36) |
19.《ネタバレ》 社会派としてはあまりにも事実をねじ曲げすぎ。エンターテイメントとしては力不足。ラスト付近で突然どたどたとなる感が否めない。なので恐怖の盛り上げ方とかは良かったのだがこの点数。 【θ】さん [DVD(吹替)] 7点(2006-12-18 19:32:49) |
18.《ネタバレ》 なんとあのジーン・ハックマンがFBI役。 やはりハックマンはハックマン(爆) 「フレンチ・コネクション」とだぶりました(苦笑) たぶんほとんどの人がFBIふたりならハックマンを褒めると思う。 けれど私はウィリアム・デフォーが気になって仕方がない。 彼は本当にいくつもの顔を持っていますね~ 今回の役もメガネをかけてまるで変装状態(爆)なのに、 こいつはいくら顔を変えてもウィリアム・デフォーだ!と。 切れ役が得意なので心配したんですが無用。 どこか昔のイギリスの映画っぽい感じで意外とクールなFBI役が合っていた。 このふたりの組み合わせって普通考えられませんよね。 感覚的には「L.A.コンフィデンシャル」を観てるような娯楽感。 そして内容はKKKと言われる白人至上主義団体によるある事件。 前半のうねるように走る車を縦に撮る映像は、 そういえば同監督のケビン・スペイシー主演の同じような系統の映画、 「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」 この作品の前半にも出てきました。 まさに映像美・・ 作品は両方とも社会派映画なんですがこちらのミシシッピー・バーニングのほうが面白い。 あと前半の映像の面白さという点では「激突!」を思い出した。 前半はスピルバーグ映画みたいなんですよ。 観ていて「ミュンヘン」のようでもあるなぁとか思いましたから。 後半から「ゴッド・ファーザー2」のような報復映画になり、 ここらはもうテンポよく娯楽作としても退屈しない。 結局正義が最後に勝つという図式ではあるけれども、 それでも根本は変らないから終わらないという、 混沌とした曖昧なものを残している・・ しかし後味が悪いわけでもない。 曖昧な歴史が作った差別と利用したKKKという団体。 弱いものはさらに弱いものを叩く。 一番罪なのはそれを見てみぬふりをすること。 われわれも同じ罪人だと、 ウィリアム・デフォーがつぶやいたセリフが全てです。 【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-09-21 07:05:47) |
17.社会派映画の佳作。どこまでも正攻法で、公民権運動時代の南部の人種差別を描く。当時のリンチやKKKの映像などを見れば、ここで描かれているものが決して誇張でもなんでもなく、南部の現実であることはよくわかる。ちょっと誤れば、わかりやすい正義の味方(FBI)対悪役(KKK)の構図になりそうなところを、あまりに執拗な差別のなかに描かれる白人男性側の黒人に対する恐怖や、そうした男たちをどこか冷めた目で見ている南部女性の姿などが、複雑な南部社会の姿を浮き彫りにする。エンターテインメントとしてのカタルシスはあまり感じられないかもしれないが、社会派好きな人にはお勧めの映画。 【ころりさん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-25 14:03:50) |
16.この映画がアメリカでどう物議を醸したのかは知らないけれど、“人間が閉鎖的な環境とそこから形成される凝り固まった価値観の下でいかに残虐になり得るか”ということを描いたということでは、的確な作品だとは思いますよ。悪意や負を2時間やそこらに無理に凝縮しているからアレっちゃアレなんですけど、おそらく扇情はあっても欺瞞はないと思う。人間はあんなもんだと思いますもん。ミシシッピーという土地には、時には曲解されつつも、多面的な真実が沢山あるんだと思う。そして良くも悪くも、それを語るに、あの土地は説得力を持っている。色々な業が土の奥深くにまで染み渡っていて、それを全くの部外者にさえ感じさせることが出来る。何とも因果を背負っている土地です。 【ひのと】さん 7点(2004-09-04 18:50:26) |
15.アメリカ社会が抱える人種差別。その「根が深い」現実を実感できる作品。重く考えさせられますね。 【tantan】さん 7点(2004-08-23 22:24:38) |
【SAT】さん 7点(2004-06-19 15:52:47) |
13.アメリカの暗部を扱った黒人差別映画では、最もわかりやすく、もっとも印象的です。KKKって世界的に有名な集団でしたが、こういう思想、排他的・保守的な考えの人たちはどの時代にも、どこの地域・国にも消えずいつもいるんでしょうね。 【★ピカリン★】さん 7点(2004-06-13 22:31:57) |