5.《ネタバレ》 大人になった主人公の回想という形で描かれる思春期という人生における貴重な一時期の青春群像と、どこか懐かしさや温かみを感じさせる独特の奇麗な色調がとても良く合っていましたね。女の子を後ろに乗せて果てしなく続く長い一本道を自転車で走るシーンが印象に残りました。彼らにとって人生はまだまだ先が長く、これからどんな可能性だってあるという希望がとても美しく表現されているように感じられました。観ているうちに彼らと同じ年の頃の自分の楽しかった出来事や今振り返るとちょっと恥ずかしくなるような出来事なんかが思い出され、彼らの心のときめきや痛みがその奇麗な映像から生き生きと伝わってくる青春映画でした。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-19 21:11:27) |
4.《ネタバレ》 この映画の少年達の年代のもやもやした気持ち、社会に対しても親に対しても学校の先生に対しても不満でいっぱいであるというのが見ていてもよく解る。まだ大人になることを拒み、しかし、子供のまま、周りからはガキ扱いされるのも嫌だというのがこの少年も少女にしても同じである。不良仲間との付き合いも大切だが、それ以上に初恋の女性、しかも、それが自分よりも年上であるとなると余計に色々と悩み、傷つき、挙句の果てには彼女を犯してしまって、もう二度と元の二人には戻れない。馬鹿なことをしてしまったと気が付いた時にはもう遅いのである。初めて留守の家に侵入した時に偶々眼にした彼女の写真、そんな写真の中の彼女に恋をし、双眼鏡で外を見ている。彼女が帰ってきて慌ててベッドの下に隠れる。彼女は気が付かないまま服を脱いで着替えている。この時の様子と彼女が一人、髪を洗っている時の男の眼差し、それを映すカメラワークにはドキドキするものを感じずにはいられない。最後のプールのシーンでの飛び込みなんていかにも中国て感じが漂う。全体的な作りとしては暴力的な場面も多くてその点はマイナスも年上の女性に対する男の気持ち、瑞々しくもどこか哀愁めいた雰囲気の映像美と音楽の使い方も上手さを感じるし、なかなか見応えのある映画になっていて、中国映画のレベルの高さを証明して見せた作品だと思います。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-08-16 14:31:01) |
3.年上の女性への憧れを軸にした、少年の成長ものの定番みたいな映画だが、エピソードの一つ一つがみずみずしい。望遠鏡で覗き、また反対側からも覗いてみたりして、世界が近づいたり遠のいたりする。世界との距離感の不安定な思春期。屋根の上をさすらうシーンも印象的だった。これの興味の一つは中国の文化大革命時代の悪童ものというところで、大人にとって悪い時代ほど子どもにとっては自由だったりする。世の中を批評する暇も惜しむほど、悪ガキどもはいそがしかったのだ。リービ英雄の小説「北京越境記」に文革の“黄金時代”を懐かしむ若夫婦が出てきて、子どもにとっては上の世代を罵倒できたりして“ハレ”の気分で過ごせる祭りの日々だったんだなあ、と思ったものだが、でもこの映画のガキどもは、エリート軍人の子どもということで、日本の“太陽族”にも通じる「いい気なもの」って感じもちょっとある。つまりあの時代の中国の子どもと言っても、みんながみんな毛沢東語録持って興奮して紅衛兵やってたわけではなく、その興奮の隙間で純粋にグレていられた恵まれた子どもたちもいたということだ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-05-07 12:05:56) |
2.《ネタバレ》 印象的なシーンが三つ。 一つ目は、彼女が髪を洗うのを手伝うシーン。 キラリと光るうなじと、そこに滴るお湯が印象的。 二つ目は、彼女を家へ見送るシーン。 不良少年ながらも、女性を好きになると、こうも純粋になるものか。 心清らかになる美しいワンシーンだ。 三つ目は、ラストのプールでのシーン。 水から上がろうとするが、昔の仲間からけり落とされる。 ものすごい疎外感。 ただ全体的にしまりが良くない。 もう少し切れ味鋭くできなかったか。 映像も凡庸なのが残念だ。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-05-05 19:28:58) |
1.この少年は味があって良いです、悪ガキなのに素朴な感じがとても印象的。文化大革命という中国の時代背景を実際には取り上げずそれとなく少年達の目のみで映し出しているのも良いと思った。 【恥部@研】さん 7点(2003-01-07 19:10:01) |