1.《ネタバレ》 トルナトーレが故郷シチリアを舞台に、もう1つ「映画」を取り上げた作品を撮っていたんですね。
代表作「ニュー・シネマ・パラダイス」以外にもシチリアを舞台にした映画を何本も撮っているトルナトーレ。
本作も彼のそれらの作品と同じく、ノスタルジックなモリコーネの音楽にのせてシチリアの風土が伝わってくるかのようであり、
ユーモアを交えシチリアの人々の人間模様が綴られていきます。
「あなたを映画スターにしてあげる」という甘い誘い文句でオーディションらしきことを行い、
1500リラを手数料として騙し取る詐欺師、ジョー。
彼が覗き込むカメラの前で老若男女、様々な人々が語るシチリア。
ある者は人生について語り、ある者は日々の暮らしや仕事について、またある者は過去の戦争について語る。
そんな人々の語りからは1950年代のシチリアの人々の暮らしが今に伝わってきます。
詐欺師ジョーと、彼を愛した1人の女。その結末は・・・。
トルナトーレは時に残酷な結末を用意しますが、
本作もまた、彼が過去のシチリアをノスタルジックに描いた「マレーナ」の結末を思い出させられました。