10.《ネタバレ》 まず近年のリメイク版よりは原作に忠実なのが嬉しいです。科学的脳で未来への介入を危惧したりせず人間的良心の信じるままに行動するジョージは冒険者として親しみ易いですし、同じ所に長々飾る訳ないなんていう野暮なツッコミはやめにしてマネキンの服装で時代確認なんてとっても洒落ていてセンスを感じます。それに友人との再会と思わせてその息子と会うシーンなどはけっこう胸に迫るものがあります。CG技術が進み本物と偽物の区別すらつけられなくなった現在からすれば、どう見ても完全にミニチュアな街並みの崩壊や着ぐるみ感満点のモーロックは愛(哀?)らしいですが、アカデミー賞特殊効果何ちゃらを受賞しているんですから当時としてはそれなりのものだったのではないでしょうか。この作り物っぽさ、私は好きですよ。それにやっぱりH・G・ウェルズの原作が素晴らしい。SFの原点はここにありき! 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-17 15:55:35) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 偉大なるH・G・ウェルズの有名な『タイム・マシン』の初めての映画化ですが、実はこの小説は本作の他にはガイ・ピアースが主演した2002年版の二作しかないというのはちょっとしたサプライズです。 ストーリーテリング自体は原作とほぼ一緒ですが、原作が発表されたのは1895年ですから近未来のエピソードについては当然ウェルズが知る由もないことが追加されています。1966年に核戦争が起きていったん文明が滅びることになりますが、もちろんこんなことはウェルズの原作にはありません。原作では社会階級制度の極端化によって知識階級のイーロイと労働者階級のモーロックに人類が分化したとあり、イーロイは見た目も現生人類とはちょっと違い言語も当然英語ではない。見せ場優先の映画化ですからそこら辺は改変されて当然ですけど、さすがにイーロイが英語を話して「政府」とか「法律」なんて言葉を認識しているというところは違和感が半端ないです。タイムトラベルを科学者たちが議論する冒頭のシーンで「四次元は時間だ」という理論でタイムトラベルを説明してますが、まあこれはアインシュタインの相対性理論が発表する前の小説ですから致し方ありません。でも「過去は変えることができるかもしれないが、未来はもはや変更することはできない」というセリフは、単純ですが自分には目から鱗でした。もちろん特撮はオスカー受賞したといっても時代掛かった代物ですけど、センス・オブ・ワンダーを今の眼で観ても刺激してくれるのはさすがです。 話はそれますが、「1900年が20世紀の最初の年」というセリフがありましたが、これって字幕の誤りでしょうか?「新しい千年紀の始まりの年」なら判りますけど… 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-02 22:18:05) |
8.《ネタバレ》 H.G.ウェルズ原作の映画は突っ込みどころがあり好きです。 あの最初の方でテスト飛行させたミニチュアのタイムマシンは一体どこへ? なぜ人類は楽園のような場所で培養され金髪なのだろう・・? 最初の方は科学用語やら時空の説明やらで、 なんかおかしくてかっこいいなぁと観てたんですが、 タイムトラベルした先からもうドク&マーティの世界で、 そこからまたとてつもなく未来へ飛び、 ここまで飛ぶの~?とあきれてしまうくらい。 これなら「A.I.」の地球水浸しの超未来を見ても不思議ではない(爆) どんどんSFでは哲学を語ってもいい。 めくるめくタイムトラベルの果てにやっと主人公が見つけたもの、 それは自分探しの旅なんでしょうね。 同じところへ戻ってくるタイムトラベルのお約束だから、 出発した時代に主人公は帰ってこなくても、 違う時代で同じ場所にいるはずです。 ちょっとこのエンディングはなかなかいいですよ。 【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-09-21 07:20:58) |
7.なんか「タイムマシン」という何かのリメイクらしきトンでも作品を見てしまい、しばらくポカーンとしていて、あ、これの事かー!と思って手に取りました。 トンでも作品ではなくって、ひとまず、ほっ。当時としては特撮はよろしいんじゃないでしょうか。一応、純粋な気持ちでこれに接したかったです。とぽぽ。 |
6.この「タイム・マシン」という作品は小説も映画も大好きです。この映画はかなり昔の作品なので、特撮がチープなのはしかたないと思います。しかし、特撮など気にならないくらい今見ても完成度は高いです。80万年後の未来世界の描き方がメルヘンチックなところも個人的には好き。2002年に公開されたリメイク版もありますが、原作に近い世界観で描かれているのはこっちの1960年版のほうです。原作との相違点は、原作が回想なのに対しこちらは回想ではありませんし、原作の未来人は小人で、知らない言葉を話していたのに対しこちらは普通の人間で、全て英語を話しているところや、小説ではもっと過去にも行き、地球の終焉を見てきます。それとウィーナの結末、タイムトラヴェラー(この映画ではジョージですが、小説に名前はありません)の結末も違います。ちなみにDVD得点の実際に年をとった二人がリアルタイムに再会するシーンは最高ですので、見るならDVDをお勧めします。 【A.O.D】さん 7点(2004-01-27 16:42:03) |
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5.《ネタバレ》 なぜタイムマシンで婚約者を救えないのか、この理由をあの奇妙な生物が言ったときだけ「お~!!」って納得。 あの前半から、後半強引に猿の惑星にもっていくところがある意味スゴイ。 【ひめ】さん [DVD(吹替)] 7点(2004-01-23 00:39:28) |
4.《ネタバレ》 タイトルに「80万年後」とあったので、一体どうなってしまうんだろうとドキドキしていた。まぁ~未来に行く過程で溶岩に包まれてしまうため、それが地表に出るまではそれくらいかかるかなぁ~と、妙に納得。80万年後は不思議な世界で、意思のない人間が、ただ生きているだけ。なぜか未成年者しかいない世界だし。理由は、地底人に食料として養殖されているから……って凄い設定です。でも、さもありなんと思うところもあり、話についていけている自分にビックリ。ただそれよりも近未来に立ち寄るところのほうが面白いですね。やっぱり。未来で友達が主人公の邸宅を保存するように息子にいいつけていたりするくだりは、友情っていいなぁ~と感じました。ショーウィンドウのマネキンの衣装が季節の移り変わりとともに次々と変わっていったり、太陽がすごい早さで動いたりと、時の早送りがとても楽しかったです。 【元みかん】さん 7点(2003-10-27 01:35:46) |
3.時間が進む描写で、カタツムリが凄い速さで這ってたり、マネキンの服装がどんどん変わっていくのは今見ても楽しいです。殴っただけで血吐いて倒れるモーロックも微笑ましい。最後は余韻を残させる終わり方で実に爽やかでした。 【終末婚】さん 7点(2003-04-16 20:09:43) |
2.「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のスポーツカー型タイムマシンとは違い、その位置を動かない極めてオーソドックスな固定型のマシーンだけに、時空を越える瞬間がいかにも解説的で実に分かりやすくて説得力がある。原作は読んだことはないが、おそらく忠実に視覚映像化したその部分においては、一応の成功をみせているのではないだろうか。とりわけマシーンに乗った主人公の周囲だけが光速で変化していく様(例えば太陽と月とが交互にぐるぐる回転していく様子や、或いは洋品店のショーウインドウに飾ってある服のファッションの変わりよう等々)を、フイルムのコマ落としによる手法で表現した視覚効果は、当時としては斬新でありスリリングでさえあった。ただストーリーそのものは、かなり陳腐な内容だったように記憶している。 【ドラえもん】さん 7点(2002-05-24 23:23:32) |
1.なかなか哲学的な作品だと思った。H.G.ウェルズの原作を映画化したものだが、この原作が、初めて時空の旅というアイデアを話にしたものらしい。ウェルズの発想の発明に敬意を表したい。今みると、どうしても模型のシーンなどは見劣りしてしまうが、1960年の映画なのだ。その映像表現も含め、よくつくったなとむしろ讃えるべきだ。何しろ話が面白い。先が気になる展開だ。80万年後、エロイ族など、一見突拍子もないように聞こえがちだが、観れば違和感はない。SF映画の古典として、評価に値する作品だ。 【あろえりーな】さん 7点(2002-05-06 16:49:31) |