6.《ネタバレ》 DVDで見直すと、映像の汚さに本当にがっかりしてしまった。昼のテレビ放送にあったあのすすけた雰囲気が完全に台無しだ。懐かしさを感じる様なたぐいの映画を液晶テレビ+DVDで見るときには気をつけた方が良い。
本作の背景にある、ネイティブアメリカンへの嫌悪や憎悪というのは、1956年当時実在のものだったのだろうか。それともアメリカ人が映画を見るときだけ発生させる一時的な感情なのだろうか。ネット上では英文の資料を見てさえ、書き手の恣意が見え見えでよく分からない。
小学生の時に夢中で見た本作だが、やはり面白い。しかし当時あこがれたあの汚らしさ、美しさ、西部の日常といった部分が大型液晶のせいでかなり台無しになった感があり、そのせいで過去様々な時期、時間帯でみた本作と全く違う印象になってしまった。
ジョンウェインの演じる主人公の性格が、相対的に情報量としての体積を持ってしまったがため、仇敵であるネイティブアメリカンのもつ、古典映画的なネイティブの像と釣り合わなくなってしまった。舞台の美しさがすべてを内包できていたがために、それが欠けてしまうと必然的に憎しみの造形が現実性と描写性とを行ったり来たりしてしまう。そもそもが、一度として私はこの作品を現実的にはとらえていないので、焼き付いていたはずの主人公のキャラクター設定に当惑してしまった。
この映画が持っていたはずの雄大な美しさと、セットが発する劇ですよという安心感。予定調和の中でジョンウェインがジョンウェインらしく暴れるという部分が少なからず失われてしまっていたのは残念だった。
やっぱり西部劇はブラウン管のテレビ放送かBDに限る。いつ何時何がスポイルされるか全く分からない。あと、英語をしゃべるジョンウェインにはいつも違和感を感じる(笑)。