8.この映画は間違いなく、小津安二郎監督「お茶漬けの味」へのオマージュである。女流棋士姉妹という設定や、男性陣のなよなよさアップによって、「お茶漬けの味」よりも女性的な映画に仕上がっている。なによりもキャスティングが素晴らしい。主演の4人がまさにハマリ役。4人の個性がしっかりと描かれていてとても面白い。前半は少しゆったりとした展開だが、後半、特にラスト近くの緊張感はものすごい。長まわしショットを効果的に使って「気持ち」という掴まえにくいものを見えるようにしてくれる。「お茶漬けの味」もラストのテンションがすごいけれど、こちらも負けていない。小津作品と見比べても楽しいし、もちろん単独でも見ごたえのある作品だと思う。 |
7.《ネタバレ》 傑作コメディだと思うのですが、終盤のドラマ処理に尺をとりすぎているのでコメディという印象が薄くなるのが残念。 それにドラマ部分はどうにもなし崩し的に快方に向かっちゃうので更に残念。 姉の方が勝っちゃうなんて特に(どこにもそんな流れはなかったし、勝たせなくても成立したと思うけど)。 コメディなんだと意識できず、ドラマに集中しすぎた人はイラついちゃう人もいるんでしょうね。 【カラバ侯爵】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-10-16 15:32:53) |
6.最後まで観てしまいました。なかなかの良作だと思います。 【ひで】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-13 23:40:04) |
5.主演4人の駆け引き、やりとりが非常に面白い。 勝負に生きる妻。そのとばっちりを受けるダンナ。 ちょっとしたイライラから生まれるケンカ、勘違い。 妙にリアリティがあるため、感情移入しまくり。 地味だけど見た後ほんのりやさしい気分にさせてくれる佳作。 【ふくちゃん】さん 7点(2004-06-06 18:05:55) |
4.「将棋」がテーマというより、「恋と仕事」がテーマの映画。なかなか面白かったです。共働きの夫婦は是非観ておいた方がいいでしょう。 【ムレネコ】さん 7点(2003-12-05 07:27:16) |
3.主要人物が二組のカップル、女の方は一見気が強いけど実はもろい一面も持ってて、男は一見情けないけど実は女を包み込む優しさも持ち合わせている、という所は大谷健太郎監督の前作「アベック・モン・マリ」とそっくりですね。これはある種の「発展的リメイク」なのでしょうか?確かに前作に比べると、ちゃんとオチのはっきりしている分かり易い話になっていて、間口の広い作品になっています。ただ、僕は「アベック~」の、まるで自主制作映画のような濃ゆ~い感じがなんとも言えず好きだったので、本作はちょっと薄味になっちゃったかな?という感じがしました。とはいえ独特の軽やかな作風は健在。次回作が楽しみです。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-11-27 19:26:15) |
2.瀬戸がいい。日本って少女かおあばさんばかりなのに、大人の女って感じ(もちろんキャラの内面は我侭で自己中で子供っぽいんだけど)とにかくビックリした。いい女だね。それから、名前を忘れちゃった、、鉄男の監督。彼もいい。監督なんてやめて(才能ないから)役者に専心すべし。 |
1.瀬戸朝香扮する麻美は気が強くて身勝手で、いくら仕事のためとは言え、周囲の意見にまったく聞く耳を持たない女流棋士。不調続きでランク落ちの危機に瀕し、優しく気遣う夫との関係もギクシャク状態。妙に優しくされる事がかえって彼女のイライラを募らせ、何かにつけ八つ当たりして、ほとんど意地を張っているとしか思えない気分を、瀬戸が巧みに演じる。それにしても彼女の妹ともども、自分の都合だけで生きているような女たちに対して、夫や恋人(元彼も含めて)といった、ここに登場する男たちのなんと優しいことか。夫の本当の優しさに気づき、やがて自我に目覚める主人公という定石通りに話は進むが、ひとつ間違えると嫌味で不愉快な作品になるところを、大谷健太郎監督の明るくテンポの良い演出と、出演者それぞれの好演で補っている。 【ドラえもん】さん 7点(2002-08-26 00:36:31) |