9.《ネタバレ》 ソラリスの映像、原作、前作とは異なり、美しい色のガスに被われたような惑星・・脳のシナプスのスパークのような、生物が生まれ出ようとしている卵のような、神秘性が感じられた。ストーリーもザックリと削られたものがありますが、このアプローチでいろいろな空想がひろがり楽しめました。・・コピーを愛してもいいんじゃないか?コピーとして生きてもいいんじゃないか?人はカタチを愛すの?自身の記憶の投影である相手なら満足なの?逆に自分が欲するなら、相手が何者であろうと、場所がどこであろうとかまわないんじゃないか?・・etc。一番好きなのは、”客”も、自分の存在に悩むところ。愛する者の形をしたナニカ、というのはSF、ホラー、サスペンスで見ましたが、それ自身の葛藤を見せたのは自分には今作が初めてで新鮮でした。ソラリスの存在や意図も原作に縛られることなく空想できる余地がまたよかったように思います。クルーニーは自分の中ではニヒルで嫌味な優男だったけど、今作の機微ある演技で見直しました。たしかに多くの方が言う通り、ハンディカメラ、ライティングカラーとかで見せるメリハリはソダーバグのパターンかも知れません。でも意図があって使っている演出だし、スタイルも意図もない監督の仕事よりわかりやすく、きれいだと思います。・・ただ、ここの平均点を考慮して、人にむやみに薦めないようにします(笑 【ウメキチ】さん 7点(2004-06-28 14:56:21) (良:2票) |
8.《ネタバレ》 まず主演女優!あんた花がない。無さ過ぎる!屈強な体格に男性ホルモンすら感じた。けれどこの話は面白い。終盤にかけては観客が想像して物語を補完しないと多分楽しめない。物語を先へと進めていく過程が手探りな感じでたまらない。独特の緊張感を味わえるし不思議な幻想世界に酔いしれることも出来る。完成された物語が全てではないでしょう。世の中は往々にして未完成のままが多いんだから。 【yuua】さん 7点(2003-12-26 17:26:49) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 (いまの時点の)平均点が3.78とは意外だった。どこまで理解できているかはわからないが、私にはそれほど酷い作品とは思われなかった(個人的にこういう映画が好きだから、だが)。 人間にとっての生とは何か。人間は脳によってものごとを認知し、思考しているのだから、もし脳への神経刺激を究極まで精緻にすることができたら、実体験なしに脳への刺激だけで私たちは実体験に等しい生を生きられるはずである。この考え方はデカルトが考え出したもので、それをそのまま下敷きにしてつくられたのが『マトリックス』だ。 本作は『マトリックス』とは少々違う切り込み方で人間の生を問うている。実体験と究極の神経刺激にどこが違いがあるのか? もしオリジナルとコピーのあいだに相違がなければ両者に違いはあるのか? もし神経刺激やコピーのほうに価値を見出すことができたとしたら、そちらが生の真実とはいえないのか? もし実体験やオリジナルに何の刺激や価値を見出すことができなくても、それでも実体験やオリジナルのほうに意味があるといえるのか? 本作にはSFラブロマンスに終わらないものが含まれていると思う。 映像の美しさもこの映画の魅力。ただ、女性が別の女優でもよかったとはたしかに思う。 【delft-Q】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-02 21:17:23) |
6.原作を読んで前作は見てないパターンの自分ですが、けっこう楽しめました。恋愛設定がちょっとくどくも感じたけど、映像も良かったし、キャスティングもアンマッチでは決してないと思います。なによりソラリスによる人間の「探索」に悪意が感じられない所に単なるSFを超えた世界が見えて感慨を覚えました。ただ、原作というレールを知ってるからの理解であって、知らなければ「なんじゃこれは?」で済んでしまったかも。 【うこっけい】さん 7点(2004-06-05 20:47:40) |
5.オリジナルの雰囲気は無くなった感じです。でも1時間半と割と短かったので何とかなる 【亜空間】さん 7点(2004-03-25 16:09:58) |
4.《ネタバレ》 しんみり雰囲気に浸るにはもってこいの映画ではないでしょうか。ちょっと雰囲気が「ガタカ」とかあのへんに近いですね。青が強くて、音が少ない。ジョージ・クルーニーなのにすごくヨーロッパっぽくていい感じの映画でした。「すげー!」と大騒ぎするほどではないですが、淡々と好きなタイプの作品でした。ナターシャ・マケルホーンは素晴らしいと思います。ストーリーはシンプルだし、ちゃんとSFにもミステリーにもなっているし、長すぎないし短すぎない。若い方向けではないと思いますが、よく出来ています。全体に、バランスの良さが、さすがソダーバーグという感じでした。 【anemone】さん 7点(2003-11-22 02:03:28) |
3.ずっとソラリスの海に浮かんでいたい。オリジナルよりもこっちを支持する。短いから。 【紅蓮天国】さん 7点(2003-10-13 20:29:39) |
2.僕が本作で気に入ったのは、宇宙船とソラリスのデザインだ。ソラリスはとても美しく、宇宙船内のデザインは、形状、色、質感など、実に僕好み。(地球と宇宙船内で色の対比により区別してる点がわかりやすくていい)さて、タルコフスキー版と比べると、(比べる事自体が間違ってるのかもしれないけど)全体的に軽く、(時間はおよそ半分)哲学的要素は若干減り、娯楽作品へと変わっているが、だからといって駄目だとは言わない。本作は恋愛、二人の愛を主軸においていて、舞台はSFだが実際はラブストーリーなのだ。情緒的要素があり、電子的でありながら感情に訴えかける音楽もなかなか。惑星ソラリスや原作を読んでいないともしかするとわかりにくいと思う人もいるかもしれない。本作のマイナス要素は、もう少しソラリスそのものに説明があってもよかったのではないか。そして、ラストも予想通りで、も少しひねりのある、より浸透なラストを期待した僕には、若干もの足りなかった。まぁしかしながら、ソダーバーグの映画の中でも本作は非常に見やすく、わかりやすい方で、僕の中でのソダーバーグ評価は上がった、と思う。 【あろえりーな】さん 7点(2003-06-29 23:56:59) |
1.タルコフスキーのソラリスは信者が多いから叩かれること必死!でも決して駄作ではなかったよ。分かりやすいラブストーリーなんかではないし。タル作の哲学的部分も残っている。はっきりいって、タル作見てないとわけ分からないだろうと思うほどエンターテイメント性を排した作りになっている。こんなのSFファン以外見ないだろう。ハリウッド映画に毒されちゃった人とタル作を崇めちゃってる人の評価は低いだろうが純粋なSFファンとして私はこれはソダーバーグは頑張ったと思う。映像はすばらしいし、ジョージクルーニーも頑張っていた。ラストはタル作には勝てなかったが、それでもあっと驚く仕掛けはある。タル作の一部分だけをとりだして深く掘り下げたストーリーは、見ていて面白い何度も言うが決して駄作ではない。 【あめ】さん 7点(2003-06-22 23:06:05) |