蝿の王のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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蝿の王

[ハエノオウ]
Lord of the Flies
1990年上映時間:90分
平均点:6.24 / 10(Review 38人) (点数分布表示)
公開開始日(1991-06-15)
ドラマホラーサスペンスアドベンチャー小説の映画化
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タイトル情報更新(2014-09-25)【+】さん
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キャストジェームズ・バッジ・デール(男優)サイモン(バジェット・デイル 名義にて)
原作ウィリアム・ゴールディング「蝿の王」
脚本ジェイ・プレッソン・アレン(サラ・シフ 名義にて)
音楽フィリップ・サルド
撮影マーティン・フューラー
配給シネセゾン
その他東北新社(提供)
あらすじ
飛行機事故で無人島に漂着したアメリカ陸軍幼年学校の生徒24人。はじめは島の生活を楽しんでいた彼らだが、やがて救助を待つリーダーのラルフを中心とした一派と、自然に同化しながら狩猟に駆り立てられていくジャックらの一派に分かれ、対立していく…。 楳図かずおの「漂流教室」のような作品。
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11.見ている間中、「おまえはどっちの側につくんだ」と問われ続けているようで、やな汗かきまくり。もちろん理性をフル動員すれば、どちらにつくべきなのかは明白なのだけど、しかしこの極限状況で自分はそれができるほど強いのか?肉食べたくなるだろうしなあっとうじうじしてるうちにエンディングをむかえた。とりあえず結論を先延ばしにできて、私としてはあのラストはすごくほっとしたのですが。
tottokoさん [映画館(字幕)] 7点(2011-08-10 17:10:39)(良:1票)
10.《ネタバレ》 人類が築き上げてきた文明というものが、いかに虚しいものか。

人として文明と理性を保ち続けるべきだというラルフの言葉は、欲や暴力といった本能の前には無力。
ジャックが体現した本能に、次々とラルフのもとを離れる子供たち。
文明こそが人間にとって必要なのだ、と訴えるピギーを殺したところで、この島の文明は消滅した。
無用となった理性を、ジャックたちは「自分たちの意思で完全に消し去る」ことを選ぶ。

 
ラストに現れた大人の「お前たちは何をしてるんだ?」と、間抜けな顔で問いかける姿は、
人間としての文明と理性がは迂回することを想像さえしていない、のんきで平和な一般的な人間。
 
 
小さな島で起きた子供たちの変化は、大きくとらえれば地球上のすべてのイデオロギーを表しているように思えてならない。
自らと異なる思想を持つものを狩ることをためらわない。それこそが戦争や紛争の本質なのだから。
こっちゃんさん [DVD(字幕)] 7点(2019-04-11 11:26:07)
9.《ネタバレ》 原作は「権力とは何ぞや」に迫る小説だが、これはただ「二年間の休暇(十五少年漂流記)」を引っくり返しただけにも思える。20世紀は文明が文明そのもので野蛮になった時代で、文明が非文明に退化して野蛮になったわけじゃない。人間の集団の根源を見せてくれる原作。19世紀の「二年間の休暇」の時代は、権力機構がちゃんと機能すれば秩序正しい2年が送れるという人間の組織性に対する素朴な信頼があったが、20世紀は人間の集団こそが人類の敵だとはっきり分かってきた時代。まるでレジャーを楽しむような青空、青い海。象徴性を持たされた子どもたち。それでも彼らは儀式を必要としだす。「春の祭典」に近い音楽で盛り上げていく。サイモン殺しも怖いけど、ピギー殺しの戯れのような雰囲気が怖い。ラストで兵士が「いったい君たちは何をしてるんだ」と言う。その理性的な言葉を兵士(20世紀の野蛮の代表)が言う皮肉。演出での面白味はあまり感じられなかったが、「手堅い」ってことかもしれない。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 7点(2013-08-11 09:33:33)
8.《ネタバレ》 原作はまだ読んだ事ありませんが、尺が90分しかなく、ちょっと駆け足すぎるのではないかな、という雰囲気が見て取れます。最初にヘリがやってくるシーンも、爆発して突然ブツ切れで一体なんなのっていう風に思ったし、サイモンが殺されるシーンも、野生派たちの恐怖心が原因とはいえさすがにあれを怪物と間違えるってどうなのよ、ていう気もするし。尺を倍の長さにして、もっと丹念にきっちり描けば、さらにぐんと良くなったのではないかと思います。映像的にはかなり頑張っているわけですし。豚の頭を切り取るシーンも、本物の豚さんを使っているし、ピギーやサイモンが殺される画もけっこう生々しい。そういう本気度が伝わってきて、他に類を見ない、かなり特異な作品だなと感じたので多少点数は甘めです。文明から外れ、世間帯も常識も法律もなくなると、眠っていた本能が目を覚ましてしまう。その恐ろしさみたいなものを描いているんだと思うけど、個人的にはそういう個人の本能うんぬんよりも、「集団の怖さ」を強く感じた次第です。野生派のリーダーも、ああやって暴走するのはたくさんの仲間を従える事が出来たからですよ。そして行動を共にする彼らも、単に肉が食べたいからとか、逆らうと怖そうだからとか、あっちのほうが面白そうだからとか、そんな感じで野生派になっていくわけでしょう。そんで野生派が多数になると、少数派になった文明支持派をうわ~って突撃して、せせら笑って攻撃する。その「集団の怖さ」がなにより恐ろしい。人間というのは社会的な生き物で、それ故に人間らしさ、繋がりや絆、友情、思いやりというものを生み出してこれたんだけど、そういう「組織」というものは、当然ながら負の側面もあるわけですよ。それが端的に描かれたのが、あの野生派だと思うんです。ラストで兵士と遭遇した少年たちの唖然とした表情が印象的。
あろえりーなさん [DVD(字幕)] 7点(2012-04-02 21:55:34)
7.《ネタバレ》 漂着したのが、少年達だったというのがこの話のポイントだろう。少年はまだ自立しておらず、誰かに依存しやすい。そこでちょっと頼りになりそうな人物がいたら、たちまち群れができる。そして、ここでずっと暮らすなら何してもいいと簡単に思う。弱いものをやっつけたり、偉そうな振る舞いをする人物を気に食わないから泣かそうとか、理性がベースのモラルとかルールとかを簡単に捨てる。これが大人なら、この島から出て行けないなら、お互い助け合おうという考えになるだろうが。でもここに異性が独りでもいたら、アナタハン事件のようになるかもしれない。いずれにしても、極限状況に追いやられた時、人はどうするか?というテーマは作家にとって魅力的だろう。神のような立場だから。でも金出してそんなのを見せつけられる観客はたまったものではない。うんざりしてしまう。心の片隅にしこりみたいのを植えつけられて・・・
トントさん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-06-06 17:00:07)
6.《ネタバレ》 姿は大人でも、中身はこの映画のガキたちと一緒な人は世の中にたくさんいるわけで、それだから世の中から捨て去ることができないものがあるよねって感じ。無秩序な悪夢の世界を止めてくれる救世主が登場する皮肉なラストは衝撃だった。教育で全てが解決すれば良いのだけど、それで馬鹿が全滅できない限り、圧倒的強さを見せるコワイ存在は必要なのかも。考えてみれば「地震、雷、火事、親父」なんて言葉が日本にはあったわけだけど、未熟な構成員もいる集団の中で「コワイおやじ」という存在は健全な社会を作るのに必要だった。そういうものを骨抜きにしつつある風潮が長く続けば、社会は危ないのかも。最近の邦画「告白」も大人の男がいない世界で、バカ母たちの影響もプラスで荒んだ子供社会が印象的だったけれど、ぶんぶんウザクて叩き殺したいハエばかりのような状態になってから、その構成員たちで警察だとか軍隊だとか作った日にゃ最悪なわけで、コワイね。
だみおさん [DVD(字幕)] 7点(2010-10-23 13:31:20)
5.《ネタバレ》 90分映画でどこまで原作をなぞっているか不安でしたが概ね満足できました。
小説を読んだのは大分前なので記憶が曖昧ですが、映画ではラルフは最後まで一応理性を保っていたけど原作ではラルフもまた狩人たちに追い詰められ極限状態の中で
理性を失い「豚みたいに悲鳴上げさせてやる」と言っていた場面があった気がします。
記憶違いでなければそこを見せて欲しかった。
TAKIさん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-13 22:19:58)
4.W・ゴールディングの『蝿の王』。学生の頃読んでメチャメチャ興奮して、夜、寝付かれなくなっちゃって、翌日周りの連中に「こりゃすげー小説だ!」と薦めて回って顰蹙買いまくった、私にとって最も大事な外国小説。物語に配置された数々のメタファーが、クライマックスに向かってギリギリグリグリゴリゴリと胸を締め付けてくる恐怖、まさに飛びっきりの衝撃でしたよ。だもんで、やはりメタファーを駆使しつつもサッパリ恐怖を掘り下げられなかったキングの『シャイニング』なんて、ちょっと今まで悪口言い過ぎたかも(笑)。さて、有名な小説を映画化した作品について、ここまで小説の方を持ち上げちゃった後には、当然、映画の悪口が続くというのが世の常ですが・・・本作、いや、なかなか悪くないんじゃないスか。原作の悪夢のごとき詩情、とでもいいますか、あの息苦しさをコトサラ無理して演出しようとせず、むしろ直線的にコンパクトにまとめており、人間が野生の中でフォースの暗黒面に墜ちていく姿をスターウォーズよりも端的に描いています・・・うーむ。しかし何か物足りないのう。原作と映画は切り離して鑑賞すべき(ってか、その方が映画を「映画らしく」鑑賞できる)のかも知れんけど、いったん原作を頭から忘れ去るなんていう器用な芸当は出来んよ。「映画はストーリー(のみ)ではない」のと同じく、「小説はストーリー(のみ)ではない」。そして出版され広く知られた小説は我々共有の財産(!)、それを映画化する際には、物語の上っ面だけ借りてくるんじゃなく、小説の持つ“本質”を映画にしっかり投影して欲しーなーなんて思っちゃうのよ。比較されたくなきゃ、オリジナル脚本の映画を作ればよいよ。でも、小説をネタに日々、映画は作られ、そしてナゼか、止せばよいのに僕らもそれをついつい観ちゃう。原作と違うからと文句を言ってみたりもするが、原作にとらわれ過ぎるのなら映画化する意味が無いかもしれない。ムムム、映画って何だろう、ナゼ、人は映画を作り、またそれを観るのだろう。などと頭を悩ますことになるわけで・・・それが判らないからまた映画を観るという悪循環(笑)。ま、それはさておき、最後に、“ついつい小説と映画を比較しちゃう”視点からの素朴な感想。「小説ではクライマックスにおける主人公ラーフの“混乱”が、何よりもコワかったよ。映画ではあんまし混乱しないから、あんましコワくなかったね」
鱗歌さん [DVD(字幕)] 7点(2006-05-30 22:56:42)
3.《ネタバレ》 話題になっていたこれ。だいぶ前に見たが。「秩序」を保つために必要なものとはなんなのか。
この子たちに「何」が無いために、秩序がなくなったのか。
たとえば、非常に小規模な集落で、「秩序」が保たれているところがあるとしたら、それはどんな集落なのであろう。我々はきっと、ネイティブアメリカンの長老のいる集落などを思い浮かべてしまいませんか。「知恵」とか「長幼の別」とか「家族」がないと、人間の集落はうまくいかないものなんでしょうか。「ほっとけば人間は悪さをするのが当然」ということを強調しているというより、「じゃあ、あなたはどういう状態なら、人間は殺し合わなくてすむと思う?」っていっているように感じた。個人的には。決して、「子供ですら、こんな邪悪なんだよ人間は」がメインテーマとは思わない。
パブロン中毒さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-10 01:51:35)
2.ラスト、子供達の変わり様に戦慄。
カタログさん 7点(2004-12-30 15:53:12)
1.無人島に漂着した少年たちがサバイバル生活の中で、文明から遠く離れていく人間の残虐性と、それに拮抗する理性の有りかたというものを、瑞々しい感性で描く異色作。全体的にはうまくまとめ上げているものの、肝心の二人の相反する少年のリーダーの描き方が、いかにも児童文学的な大人しさが目立ち、人間の根源的なものの掘り下げが少々不足しているように思える。
ドラえもんさん 7点(2000-11-11 23:19:25)
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【点数情報】

Review人数 38人
平均点数 6.24点
000.00%
112.63%
200.00%
325.26%
425.26%
5513.16%
6923.68%
71128.95%
8615.79%
925.26%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 8.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 4.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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