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炎上

[エンジョウ]
1958年上映時間:99分
平均点:6.86 / 10(Review 22人) (点数分布表示)
ドラマモノクロ映画犯罪もの青春もの実話もの小説の映画化
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タイトル情報更新(2024-05-14)【イニシャルK】さん
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監督市川崑
助監督田中徳三
キャスト市川雷蔵(男優)溝口吾市
中村鴈治郎(二代目)(男優)田山道詮老師
仲代達矢(男優)戸苅
新珠三千代(女優)お花の師匠
中村玉緒(女優)五番町の女
浦路洋子(女優)洋館の女
舟木洋一(男優)鶴川
浜村純(男優)溝口承道
北林谷栄(女優)溝口あき
信欣三(男優)副司
水原浩一(男優)検事
小林加奈枝(女優)宿の内儀
小柳圭子(女優)街の女
香川良介(男優)桑井禅海
上田寛(男優)背広の男
志摩靖彦(男優)刑事部長
伊達三郎(男優)護送する刑事A
寺島雄作(男優)護送する刑事B
原作三島由紀夫「金閣寺」
脚本和田夏十
長谷部慶治
音楽黛敏郎
撮影宮川一夫
製作永田雅一
企画藤井浩明
配給大映
美術西岡善信
編集西田重雄
録音大角正夫
照明岡本健一[照明]
あらすじ
僻地の寺の跡継ぎに生まれた溝口吾市は父の縁故で国宝建造物を擁する驟閣寺の小僧となって仏教大学に進学するが、病死した父を裏切った母との確執に悩み、世知に長けた住職や純真な同輩の鶴川と生来の吃りで醜い自分を比較するうちに国宝の驟閣寺御堂に永遠の美を見出す。誰もが戦後の無気力の中で生きる道を模索する中、吾市は虚無的で毒舌家の同級生戸苅に感化され、学業を放棄して学費を女遊びに使い込み家出を試みるなど放蕩にのめりこむが、その過程である確信に到達する。「驟閣寺御堂を破壊しなければならない。」
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8.《ネタバレ》 初見、原作未読。国の宝を焼失させるまでに至った青年の心模様が描かれています。溝口の劣等感と清くあって欲しいと願うものの濁った姿への思いを代弁している戸苅を演ずる仲代達也が圧巻。爽やかな部分が皆無の市川雷蔵は観るのが辛い重苦しさで救いの無い結末に胃が痛くなりました。多様な人物を演じ分ける役者魂で会社の猛反対をはねのけた市川雷蔵の早逝は、後年の仲代達也のような重厚さが観られたに違いないと思うと実に残念です。
The Grey Heronさん [DVD(邦画)] 7点(2018-04-12 13:51:39)
7.《ネタバレ》  小説では味わえない映画の魅力の一つとして「音」があります。

 本作においても、作中の関西弁が早口であり、それによって主人公の吃音の「周りと歩調が合わない、取り残された感じ」が際立っていたのが印象深いですね。
 序盤にて主人公が金閣寺(=驟閣寺)に見惚れているシーンで、唐突に音楽が流れだす演出などは「ちょっと分かり易過ぎるかな」とも思いましたが、総じて音楽は秀逸であり、それでいて多用する事は無く、静かな場面の方が多かった事も好印象。

 また、何と言ってもラストにおける、燃える寺の囂々とした焼け音が素晴らしかったですね。
 モノクロ映像ゆえか、それまでは驟閣寺の美しさを感じ取る事が出来なかった中で、炎上するその姿からは、圧倒するような美を感じられました。
 
 原作小説には愛着がある為、柏木(=戸刈)よりも重要な人物であろう鶴川の出番が殆ど無い点。
 そして、主人公が列車から身投げするという結末も、原作の「生きようと私は思った」という前向きな姿勢とは全く正反対である点などは、正直抵抗もあったりするのですが、そういった先入観を排し、一本の映画として観賞すれば、充分に楽しめる代物だと思います。

 主演の市川雷蔵は、相変わらず惚れ惚れするような演技巧者っぷりだし、彼の悪友を演じる事となる仲代達矢の存在感も素晴らしい。
「あんた、その片端の脚が自慢なんやろ?」
「片端やなかったら、誰一人振り向いてくれる人あらへんもんな」
 なんて痛烈な台詞を吐く新珠三千代の姿も、忘れ難いものがありました。

 原作において、何よりも美しいと感じられたのが、あれほどのドン底に落ち込みながらも、なお生きようとした主人公の最後の姿だった事に対し、本作においては「驟閣寺と心中しようというかのように、刑事を振り払って身投げする主人公」の姿が、非常に醜く描かれているように思える辺りも、何だか興味深い。
 様々な意味で原作小説とは異なる、意図的に対とした結末であるように感じられました。
ゆきさん [DVD(邦画)] 7点(2016-10-29 19:33:55)
6.Japan SocietyでのKON ICHIKAWA RESTORATIONSと題した2日に渡って3本を上映するミニシリーズにて。

映画に関しては予習をしないポリシーを今回も貫徹するも、上映前のイントロで「三島由紀夫の作品『金閣寺』を原作とする作品であること」、「法曹界の了承を得れなかったのか本作内では『驟閣』といったような実在名を避けて表現されていること」、「三島本人も市川崑の作品を愛好していることを表明していたこと」等々の軽い解説を受けての鑑賞スタート。

開演と同時に感じたのはまだまだ数を観た感じのしない大映ロゴ。そんな大映作品として真っ先に思い浮かんだのは小津安二郎が大映で撮ったリメイク版「浮草」(1959) であったが、製作年をあとで見比べてみて中村鴈治郎がその頃の印象のままでそこに立っていたのに納得がいった。その他のキャストについては…市川雷蔵体験は実はこれが初かも。これからが楽しみ。抜群の安心感の仲代達矢、新珠三千代、北林谷栄に加え玉緒さんがいい感じで登場。ほくほくである。

振り返ってみるとまだまだ市川崑作品は初心者レベル、Film Forumのおかげで数年前に鑑賞できた「細雪」(1983) が唯一の既鑑賞作品であったことを改めて認識する。本作の脚本を監督が妻でもある和田夏十と書くに当たり、あまりにも原作の完成度が高いので作者本人に執筆時のノートを開示してもらうよう依頼して初めて成り立ったという下りを読んでやはり原作にも手を伸ばさざるをえないような感じがした。作風としての類似性としてはATGの「無常」(1970) を思い浮かべたりもした。

あと鑑賞後に元となった史実について読み漁っていて、新聞記者時代に本事件の記事を担当していたシバさんのことがぼんやりと思い起こされてくるのも自分にとっては面白かった次第。
keiさん [映画館(邦画)] 7点(2015-10-19 13:33:53)
5.三島由紀夫の原作を映画にしたら、これはアリだと思う。いあ、秀逸か。しかし、少し、省かれているような。俳優の起用が大胆ですね。市川崑監督も面白いイメージだ。
minさん [DVD(字幕)] 7点(2013-10-30 20:39:05)
4.《ネタバレ》 主人公溝口の心の闇、いかにして火を放つに至るのか、興味深くて面白かった。はっきりした事は分からないが、鬱積したものを吃音ゆえか外にぶつけられなかったのが一番なのかなと感じた。同時に驟閣が他人に汚されるくらいなら自分の手で終わらせたい、といったような歪んだ愛も見えた。驟閣が激しく燃える場面もいいが、遠くから見つめる火の粉、あの場面も印象深い。俳優陣ではいくつかの賞に輝いた市川雷蔵はもちろんだが、戸苅役仲代達矢も独特の存在感があって良い。新珠三千代がさして重要でない役で出演しているのは意外だった。
リーム555さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-06-19 23:35:06)
3.《ネタバレ》 レンタルリリースになったので早速、観ました。主人公の「家庭問題」「どもり」など内面的な面をシッカリと映像化されているのは上手い。監督もカメラも雷蔵もすごい。仲代は原作のイメージより顔が二枚目すぎるだろうぉ・・と思ったが演技は上手いわ。「春の雪」を観て原作を再読する気にはさらさらなれなかったが(ふざけんなよ~プンプン)、これはまた三島の世界を確認したくなる映画だ。それだけ三島の世界に近づくことに成功しているということなんだろうか?
グレースさん [DVD(邦画)] 7点(2007-09-22 14:28:05)
2.普通の監督だったら、代表作になっていると思う。
みんな嫌いさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-12-10 21:05:20)
1.火の粉の舞のシーンは圧巻、すごくきれいで、もう少し観たかった。私の勝手な「金閣寺」のイメージからすると呉市がまだ優しすぎるし、偏愛ぶりも足りない気がする。私的には仲代の方が狂気さがあって良いのだが、市川雷蔵もコレはコレで良いし、上手い。中村鴈治郎はもっと鴈治郎一家のDNAに刻まれたスケベさ、いやらしさを出して欲しかった。出演者がみな京都の役者さん達ばかりなんでしょうか、言葉も自然で演技が上手いです(鴈治郎除く)。
亜流派 十五郎さん 7点(2004-05-04 13:42:41)
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【点数情報】

Review人数 22人
平均点数 6.86点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
529.09%
6731.82%
7836.36%
8313.64%
914.55%
1014.55%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review1人
2 ストーリー評価 6.75点 Review4人
3 鑑賞後の後味 6.25点 Review4人
4 音楽評価 6.33点 Review3人
5 感泣評価 5.33点 Review3人
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