9.《ネタバレ》 4作目となる本作「座頭市兇状旅」は市が相撲大会に飛び入り参加したり、自分が斬った相手の親に詫びに行ったりと、色々と意欲的で珍しいシーンが多い作品です。明らかに前1-2-3作品とは作風が異なりますが、物語として1-2-3-本作で一区切りになります。本作風はむしろ5作目以降、安定的にシリーズ化するきっかけになった試験的な回だったのかもしれません。 気になる点としては、北城寿太郎扮する(棚倉蛾十郎)が最後までとことん嫌な奴で、なぜおたね(万里昌代)が再婚したのかよく判りませんでした。単に男を見る目がないのか、それとも不運なだけなのか・・ でも一作目では積極的に座頭市にアプローチしてて、聡明で綺麗、かわいいおたねさんにいったい何があったのか大いに興味が湧きます。しかし観客の心情とは裏腹におたねの斬られ方はかなり雑で、誰が斬られたのか判らない遠アングルでアッサリ終わります。更に不思議なのは目が見えないハズの座頭市が観客よりも先におたねに駆け寄る違和感は凄いです。 このおたねさんは非常に興味深いキャラだったので、もう少し市との絡みを見せていただきたかったところです。この美貌もありますから、今の時代ならおたねさんだけでスピンオフも作ることが出来たハズです。 色々意欲的な試みもありますが、少々無理がある演出も多くて賛否が別れそうな回です。個人的には1-2-3-4の流れ上外すわけにいかない要の回だと思っています。 【アラジン2014】さん [地上波(邦画)] 7点(2024-07-30 17:14:42) |
8.《ネタバレ》 シリーズ初期の最終回 一作目のヒロインおたねが再登場 このシリーズ一作目の平手造酒以外、とことん敵がどさんぴん 今回の最大の敵、蛾十郎は負けそうになったら逃げるわ、正面からは切り合わず口ばっかりでイライラさせる ラストは自分が殺したくせに、市の儚い憧れのおたねをこきおろして市の夢を奪う 自らが死ぬ寸前までちっちゃい嫌がらせをする所は小物の極みともいうべき見事さ 他に類を見ないドサンピン感だ ヤクザは誰もろくでなしで、今回のヒロインの相手役の下仁田の佐吉ですらまったくのへたれで、ここまで男を見せない奴も珍しい この見ていてイライラさせるキャストは狙いなのか?狙いだとすればもう少し判りやすく出来なかったのか リアルにいらついた しかし考えようによっては、座頭市以外全員小物というのも勝新をとことん楽しむにはアリかもしれないな(笑) 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-12-31 00:55:43) |
7.《ネタバレ》 ヤクザの縄張り争いに利用される市。佐吉を追い詰めていく安部徹の悪役っぷりがいい感じ。苦しい立場に置かれた佐吉はついに市を裏切る…。かなりの数に包囲された市だが、雑魚相手なら無双。 逆に棚倉蛾十郎という一侍にかなり苦しめられる。もちろん最後は市が勝つんだけど、蛾十郎が死に際に放った言葉は本当なのだろうか? 嘘だと信じたいところではあるが…。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-11-06 12:02:29) |
6.《ネタバレ》 シリーズ第4作。どうやら本作からシリーズとしての基本が固まったようで市の殺陣もこの間見た初期作2本と比べて大幅に増えていて、冒頭の市が相撲大会に飛び入り参加するシーンなど娯楽的要素も強まっていて安心して見ていられる。ただ、娯楽要素が強くなった分、ドラマ部分がなにか物足りない。1作目と2作目に登場したヒロイン・おたね(万里昌代)が再び登場しているが、もうちょっと市とおたねの関係にスポットを当てたほうがドラマとしても深みが出ただろうし、予告編で使用していたおたねがのぶ(高田美和)に「あなたは私が持っていたものをみんな持っている。」と話すシーンが時間の都合上か本編ではカットされてしまっているのも残念だし、殺されるシーンもあっさりとしていて、せめてそのあと、市との何らかのやりとりがほしかったところだが、おたねを殺されて怒りに燃え、悪人たちを斬りまくる市にはとても感情移入できたし、自分をだまそうと持ちかけたのはおたねだと言われても信じようとはしない市におたねに対する思いというものが伝わってくる。それだけにおたねの心理描写が不足しているのが残念。こういう結末を用意するならやっぱり予告編にあったおたねとのぶのシーンはカットしないでほしかった。それがちょっと惜しいけど、個人的にはやっぱりおたねは市を裏切っていないと信じたいなあ。すべてが終わり、市が旅立つエピローグ・シーンは今見るとまるで「水戸黄門」のエンディングのようだが、これもシリーズとして軌道に乗ったということの証明かもしれない。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-09-14 22:52:29) |
5.本作は随分サービス精神旺盛かつ手堅いエンターテイメントアクション時代劇となっておりました。90分足らずの尺で多様な登場人物それぞれの思惑や複雑な人間関係を描いていて、ちょっと欲張りすぎたかごちゃごちゃしてて焦点がぼやけ気味。 しかし、最後まで退屈するところはなく、殺陣の見せ場も出し惜しみなしだし、手強いライバルとの死闘も熱く、充分に座頭市を堪能できました。冒頭でのいっつぁんの相撲シーンが実は一番の見どころかも。 【すべから】さん [インターネット(字幕)] 7点(2009-05-10 00:26:12) |
4.《ネタバレ》 下の方も書いておられましたが、予告編には万里昌代演じるおたねさんが高田美和に、「私にも昔、あんたみたいに純粋な頃があったっけ」というようなせりふを語るシーンが確かに含まれています。そして、それが本編に含まれていたなら、絶対物語の展開がもっと自然になるはず。すごく残念。おたねさんが、あんなふうに市を裏切るというのも(本当に裏切っているのかはわからないけれど)、はじめてみたときはすごくショックだった。でも、私は、これは、おたねさんというキャラに愛着があるので贔屓目なのかもしれないけど、そんなに悪くないと思う。 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-18 22:58:40) |
3.まだこれまでの4作しか見てませんが、今回のラストシーンが一番好きだったりします。 クライマックスの展開にもちょっと唖然。もう一度、1・2作目を見直してみると違う作品に見えるかもしれないです(^^;。 【ゆうろう】さん 7点(2005-03-22 21:19:13) |
2.この辺から安定路線、やや意地悪な言い方をすると「水戸黄門」化してる感じがします。ところでこのシリーズ、予告編(DVD版に収録)には入っているのに本編に入ってないシーンって結構あるんですよね。あくまで想像ですけど、この頃って二本立て・三本立てが当たり前の時代だったから、大事なシーンとかも泣く泣くカットせざるを得なかったのではないでしょうか(ちなみにほとんどの作品が90分前後)。予告編ではおたね(一・二作目にも登場した、市と心を通い合わせながら結ばれることなく別れた女性)の描写を思わせるシーンがあるのですが、それが削られてしまったため、ラストの市の一種異様なシーンが生かされなかったような気がします。これもプログラムピクチャーの宿命でしょうか。 【ぐるぐる】さん 7点(2004-01-07 19:58:14) |
1.シリーズ第4作。監督は痛快活劇で定評のある田中徳三。勝新演じる座頭市が奉納相撲に飛び入りしたり、ひょいとおどけてみせたりとユーモラスな一面を今作では見せてくれます。物語りはといえば、座頭市を軸にして二つのドラマを絡めながら展開させるなど工夫を凝らしており、居合いのシーンでは徳利を真っ二つにしたりで見どころの多い仕上がりとなっている。本作から座頭市は勧善懲悪、弱者の味方という位置付けが色濃く出てきます。 【光りやまねこ】さん 7点(2004-01-06 17:24:44) |