1.大好きなケリー・チャンと金城武の二人が共演する、香港を舞台にしたラブストーリー。
二人が共演している作品は、本作を含めて3作品のみ。
そのうち、『世界の涯てに』と『ラベンダー』は既に鑑賞済だったので、まだ観ぬ二人の共演作は、本作で最後となってしまった。
『世界の涯てに』『ラベンダー』共々、どちからと言えば主演二人の魅力を引き出すことをメインに作られていた感があり、作品としてみるといまひとつの感が否めなかった。
だけど、二人のファンである私にとっては、それで十分楽しむことができた。
ケリー・チャンはいつの時代の作品を観ても、そんなに極端には変わらない(全然歳を取らない!現在も尚美しい!)が、金城武は歳を重ねるに従い、雰囲気がかなり変わってきたように思う。
本作では、まだかなりの若々しさが残っており、まだヒゲもそんなに青くはない。
本作での二人は、『世界の涯てに』や『ラベンダー』と比べると、それほど綺麗に、又はかっこよくは撮られていないように感じた。
その代わり、作品自体の出来は、『世界の涯てに』や『ラベンダー』より良かった。
何より、普通に楽しめたのが良かった。
ただ、細かい面を言えば、少し作りが雑かなぁ、と思えるシーンも多く、洗練度という点ではイマイチかもしれない。
後半で、金城武演ずる主人公の書いた“小説”の再現シーンが流れるのだが、これが作品全体のバランスとリズムを崩すくらい冗長だった。
でも、そういった荒削りな面はあるにせよ、最後は最後でなかなか感動させてくれるし、観た後の気分もなかなか良い。
これで『世界の涯てに』や『ラベンダー』の様に、二人の魅力がうまく撮られていれば完璧だったのだが・・・
2000年以降、ケリー・チャンと金城武の共演作は一つも撮られていない。
ケリー・チャンはまだまだ大丈夫そうだが、金城武が“おじさん”っぽくならないうちに、もう一作品くらい共演作を観てみたい。
二人のファンである私は、それを強く望んでいる。
ちなみに同じく大好きな俳優であるレスリー・チャン(故人)も本作ではチョイ役ながら出演している。
そういう意味でも、本作はかなりのお気に入り作品となった。