6.《ネタバレ》 欧米人の名前にまつわるエピソードって、すごく面白いです。日本人よりも、名前のバリエーションは明らかに少ないのに、それでも自分の名前に対する誇りは大きい。ここのところがとても不思議なんですよね。映画の中でも、名前を間違えるっていう小エピソードなんかがいっぱい描かれているし。神様の名前をもらっている、欧米人の名前に対する意識は、日本人の名前に対する意識とはきっと別次元にあるんだろうなぁと、なんとなく考えてしまう今日この頃です。この映画でも、スゥイートというラストネームで笑われる保安官。そして、当のジョン・ウェインもフルネームは笑われる(笑)。ミドルネームを隠していたんだろうに、法廷で名前を読み上げるときにいやおうなしに響きわたる。先に相手を笑ったもん勝ちみたいなノリがけっこう好きです。そして、赤ん坊につけられた名前をいちいち訂正する(笑)。私の名前は、読み間違えられやすい(というより一発で読める人がほとんどいない)ので、子どもの頃から名前を間違えられても気にしない性格になってしまいましたが、仕事でやりとりをするファックスのあて名が、漢字ではなくカタカナで書かれているとイヤな気持ちになってしまいます。……あれ?また本筋からそれた。話題を元に戻そう……。で、この3人組は、銀行強盗をする無法者なんだけれど、リーダー格のジョン・ウェインは、銀行だったら盗難保険に入っているから、多少盗んでも大丈夫という、彼なりの哲学があったのでしょう(想像です)。「絶対に銃を撃つな」とキッド(ハリー・ケリー・Jr)に命令しているところで、なんとなく想像できます。残り少なくなった水を、一番体力のないキッドのために譲る。そのキッドも赤ん坊と一緒に行動するようになってからは、自分ではなく赤ん坊のために水を使いたいと思う。そんな行動に、とてもぐっとくるのですが……いかんせん、途中で二人が死んでしまうのがいただけない。どうせだったら誰も死なずに最後、笑顔の再会+相変わらず赤ん坊の名前でワーワー言うっていうのがよかったのになぁと思うのです。せっかくロバが出てくる展開なんだから、それくらいあってもいいんじゃないかなぁ。 【元みかん】さん 7点(2004-08-29 10:05:21) (良:2票) |
5.2012.10/13 鑑賞。以前から鑑賞したかった作品で念願叶う。 西部劇であって西部劇でない。フォード監督の世界、好きです+1点。 65年前の作品で今から観るとユルユルな作品も当時のおおらかな国民性が出ている。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-13 14:33:51) |
4.《ネタバレ》 えらく宗教色の強い西部劇ですねぇ。悪人が出てこない西部劇。冒頭での三人組のやりとりから、強盗はするが必ずしも悪い人ではないという描き方をしています。やはり「人は生まれながらにして罪を背負っている」という、キリスト教的な考え方が根底にあるのでしょうか。母親を助け赤ん坊を守ることが贖罪となって、三人が救われるという構図のようです。水を求めてさまよううちに死ぬというのも、「神の国に行く」と考えれば、救いになるのでしょう。生き残ったボブは、さすがに法律的な罰からは免れ得なかったようですが。そうした宗教的な意味を抜きにしても、のどの渇きという極限状態に置かれてもなお、人間として大切なものを守り通すという物語はすばらしいと思います。映像では、砂嵐の場面が圧巻。演じる方も撮る方も大変だったでしょうね。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-12 21:31:37) |
3.《ネタバレ》 これはまた一風変わった西部劇だなあ!西部劇と言えば男達がライフル片手に悪党と撃ち合ったり、殴り合ったり、馬に乗っての格闘てのが西部劇の定番ではあるが、そういうシーンがほとんど出てこない。前半でほんの少し出てくるだけであり、西部劇らしさという意味で物足りなさも残るし、宗教がどうだのこうだのと何やら難しいテーマを含めたりしていて気にはなる。それでもやはりジョン・フォード監督の見つめる視線の先にあるものは人間的な温かさというものを感じることが出来る。ひょんなことから赤ちゃんを拾ってしまった三人の男達、見かけは物凄く悪い奴なのにそれとは反対にとても優しい。あの三人が一人の女性との約束を守るためだけに赤ちゃんを抱いて歩く姿は男としてというより人間としてのあるべき姿というものを見ているように思えてならない。あの赤ちゃんの泣き顔も笑う顔の前にはどんな悪人だろうと優しくなれるというものを感じる作品になっていて、その辺りの優しさ、ジョン・フォード監督の優しさが画面通して伝わってくる。これは西部劇ではあるが、西部劇というよりも人情映画、例えば日本で言うなら「男はつらいよ」かまたまた長谷川伸原作の人情時代劇と言った方が良いかもしれない。それにしてもここでのジョン・ウェインの男らしさ、かっこ良さ、仲間の死を眼にして泣く場面は男ならではの弱さを思い切りさらけ出していて共感させられる。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-16 22:21:30) |
2.これは、キリスト教文化圏以外の人間にはちょっと感覚がつかみにくいかも。あんまり専門的なことは分からないけれど、逆光のシーンが多くて人物が影のように映っているのが、まるで影絵のようで神秘的・印象的でした。一応西部劇だけど誰も殺されないし、途中主人公が水のない中逃避行する所はちょっとハードで異色な感じもするけど、脇役は魅力的だし(どこかの休憩所?に出てくる豪快なおばあさんとか、保安官に連れられてる、何度も注意されてる助手とか)、最後はお洒落でにんまり・じんわりする結末だし、やっぱりジョン・フォードだよなあってな感じでした。<2006.2.9追記>↑「逆光のシーンが多くて人物が影のように映っている」って書いたけど、ひょっとしてこれは、僕が観たDVDの画質があんまり良くなかったからかもしれないです。んー、そりゃ、めったに観られない古い作品をDVDで観られるのは嬉しいんだけどなぁ。 【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-02-07 13:46:35) |
1.《ネタバレ》 これはウエスタンというより、西部を舞台にした渋い重厚な宗教劇と言ったほうがいいですね。実際ウエスタンらしいのは最初と最後の15分位。気になったのは、急転直下的な無理矢理なハッピーエンドにしたとおぼしきラストシークエンス。そりゃ、こういう結末のほうが後味が良いに決まってるけど、それまでの悲劇的なまでの砂漠の道行きはなんだっだんだろうってつい思ってしまいます。ラスト部分だけが全体に溶け合わず、ちょっと宙に浮いてしまった状態。しかしジョン・ウェインってカッコイイなあ。この頃はまだ後年ほどデンとした貫禄はついてないけど、赤ん坊を抱いて体を揺らすだけの動作で、何気にユーモラスな味が出せるのはやっぱり彼しかいないんじゃないかって思います。「男は強くなければいけない、でも優しくなければ生きていく資格がない・・・」って文句を久々にこの映画のウェインを観ながら思い出しました。手下が地面に倒れた時も太陽の光を遮るようカウボーイ・ハットを翳してあげたり、わずかな水筒の水はも手下が飲んだ後、最後に口にするし・・・。デューク、あんたやっぱり男の中の男だぜ! 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-09-26 10:26:30) |