3.《ネタバレ》 宗教チックで秘密結社チックな猟奇殺人事件、それを捜査する刑事。という、いかにも「ジャンル映画で一本、でっち上げました」というだけの作品っぽい感じではあるのですが、しかし。
中盤の、修道士姿の曲者との間に演じられる追跡劇の、しつこいこと。こういうのはやっぱり、楽しいですね。
マジノ線に残されたトーチカからの銃撃、なんてのも、地の利を活かしている、と言うと変ですが、なかなか意表をついています。あらためて、ここは昔、戦場だったんだなあ、と。
終盤、襲い来る鉄砲水から、走って逃げる。このシーンもやたら長くって、いや、あの水の勢いから、そこまで走りまくって逃げ切ろうなんて、そりゃ無理でしょ、と思うのですが、映画だからできちゃう、やってのけちゃう。いや、ホント、厚かましい演出。でもこれがまた、楽しいもんなのです。
という、荒唐無稽な冒険アクション風味をまぶした、ミステリに仕上がっていて、いやもはやミステリでも無い気もしますが、とにかく一筋縄ではいかないところを、見せてくれます。