2.《ネタバレ》 冒頭のアニメーションや一つ一つのコメディなど色々と面白い場面が満載なのですが、それよりも何よりもほぼ全編オールロケーション撮影という事が、多くの楽しいコメディや優れたストーリーなどを支える土台となっており、こういった手抜きのない姿勢こそが評価されるべきではないかと思います。
スタジオ撮影で済ませられそうな客室のシーンでさえもちゃんと船を動かしながら撮られているため、窓の奥に見える水面の揺らぎがしっかりと収められているところなどは、自分にとってついつい目がいってしまうポイントなのです。
また、序盤でのコンパクトに映る一連のアクションと台詞も面白いですが、台詞を重ねるタイミングがバッチリすぎるところに妙な面白さを感じてしまいますし、ヘンリー・フォンダのクラッシュ3連続も、2度のクラッシュの後に白の上着に着替えて出てくることで更なる大クラッシュを予感させておいて、コーヒーを頭から浴びてしっかりと期待に応えてくれたり、ポーカーで親父のイカサマを阻止する娘との攻防など、楽しさ盛り沢山で終始に渡り飽きさせません。
ただ、最後がやや唐突な終わり方で、部屋のどこかから蛇が出てきたら面白いだろうなと思っていましたが、実際の締め方でも悪くないと感じましたので、総じて良い映画だと言えると思います。