2.《ネタバレ》 エピソードの詰まっている小説を、うまい具合にテンポよく映像化していたと思う。ただ、ラストがあまりにもあっさりしすぎているように感じた。南部社会の考えに染まり、黒人奴隷を逃がすことが地獄に落ちるに値する悪事だと信じているハックが、間違っている常識もある、というようなことを一言言われて終わり、では軽すぎる。原作のハックは、ジムが自分と一緒に居ることを伝える手紙を書いたものの、悩んだ挙句に地獄に落ちる覚悟でその手紙を破り捨てる。この場面は原作のハイライトだと思う。ハックの決心の重さが伝わってくる名場面だったので、映画で再現されなかったことが非常に残念だった。