1.《ネタバレ》 よくある、捕虜にする側と捕虜となった側との、男女のロマンスを描いた内容だが、性別が逆で、捕虜にする側が女性で捕虜になる側が男性という設定である。
この二人がやがて恋に落ちるであろうことは容易に予想がつくが、その先があった・・・
組織に忠誠を尽くし、愛する男さえも自らの手で射殺。
“狙撃兵”として、最後まで己のポリシーを貫き通した。
だがそこには虚しさしか残らない。
愛が、この世で一番重いものだと、痛烈に訴えかけるラスト。
男女がお互いを愛し合っていたとしても、文化や思想を異にする場合、男女の仲というものは、一筋縄ではいかない。
お互いを愛し合っていることを、お互いは確かに感じているはずなのに、どうにもならない悲劇的な結末を迎えてしまう。
そういった、愛というもののもどかしさ、難しさを痛切に感じた。