2.《ネタバレ》 『女妖剣』に続いて、またもや将軍家の問題児・菊姫が登場でございます。今回は狂四郎への復讐に狂った完全なる主敵キャラとして再来です。そういや、あの越前屋徳右衛門=稲葉義男はどうしちゃったんでしょうかね、絶対シリーズでの狂四郎の宿敵的存在になると自分は踏んでいたんですがねえ。本作では音楽担当は何故か伊福部昭大先生なんですよ、緊迫したシーンの背景に低く流れる音色はまさしく東宝特撮、ていうか大先生これって使い回しじゃないでしょうか(笑)。監督はシリーズ初の井上昭です、ロング・ショットが効果的に使われていてこの人がこんなに映像派だったとは意外でした。ストーリーではけっこう登場人物は多いけど中谷一郎の正体を含めてすべてのキャラが一点に集中してゆく展開、狂四郎よ、お前の周りは敵ばかりかよ。今回のゲストスターはいちおう中谷一郎ということになるでしょうが、本家・円月殺法に自己流・円月殺法で挑むも秒殺されるというのはちょっと斬新でした。個人的にはシリーズ中でも脂がのった時期でもありけっこう愉しめたかなってのが感想です、脚本上の細かい繋がりはちょっと破綻気味でしたけどね。