2.「どこが良いの?」と訊かれるとちょっと困るけど「なんか良い」と思える作品でした、個人的に。んーと、たとえると、冬、何日も天気の悪い日が続いたのが、急に晴れて、それでもやっぱし肌寒いんだけどちょっぴし嬉しい、みたいな(春の晴れた日じゃないところがミソ)。泥棒と刑事の奇妙な友情という縦糸と、妻(母)を失った父と娘という横糸がうまく結びついてない、とか、もっともらしく欠点を挙げることはできなくもないけど、ま、いーじゃん、別に。駐在出身の人の良い刑事を演じる役所広司と、泥棒だけどどこか憎めないネコを演じる柄本明はハマリ役だし、娘を演じてた二人(菅野莉央・前田綾花)も、いかにもな美少女って感じではないけれど健気さが可愛らしくて良かった(個人的な事情ですが菅野莉央は僕の二番目の姪っ子にそっくりで妙に親近感を覚えてしまうのです)。あ、あと舞台になってる片田舎の雰囲気がすごく良くて、台詞に出てくる「~だいねぇ」という地方語も心地好かった。これって群馬が舞台なのね。何だか最近の良い邦画ってどれも群馬で撮影されてるような気がするなー。茨城県民としては、ちょびっと悔しいぞ。