1.《ネタバレ》 最初はヒロインがわがままな両刀使いの尻軽女、主人公が思い切りがないだけのヒモにしか見えず、さっぱり共感できなかった。人間の道徳的な視点からは、本当の孤独を感じるまでの彼女の生き方はお世辞にも褒められたものではなかっただろう。しかし最後の手紙に記してあったように、「今という現実のみをシビアに見つめ自分だけの損得を考え、自分にとって最良の道を選んで生きる」という考え方から見ると、当初の彼女の生き方も理解出来なくもない。しかし自分と今の為だけに生きるというのは、余りにも刹那的で悲しい生き方だ。二人が自分の元を去った時ヒロインが孤独を感じたのは、単に二人を愛していたからだけではなく、二人が彼女と相反する「公的な理想の為に目的を持って生きる」という道を選択したことに理由がある。それに気付き自らの生き方を変えても、あの尻切れとんぼな終わり方が彼女の余りに哀しい運命を象徴している。「失○園」や「イングリッシュ・○イシェント」のような三角関係や浮気系は本能的に受け付けないのだが、奔放な美女からみすぼらしい姿まで、ヒロインの生き方を納得させるシャーリーズ・セロンの演技が光っていた。