1.なんだかハウツーもののようなタイトルですが。出だしの暗殺シーンがカッチョよく、これは殺し屋の生き様を描いた実録風の映画か・・・と思いきや、そっから先は、ほどほどにアクションあり、ほどほどに謎解きあり、というフツーにハードボイルドな映画でした。しかし思わぬ展開をみせるストーリーはミステリとしてもなかなかのもの。そしていかにもガンコそうな主人公、思わぬ鋭い推理を見せたりもして(自殺死体を他殺と断定するくだりなど、推理が鋭すぎて逆にマグレとしか思えない)、意外な真相に突き進んで行く姿、やっぱりカッチョいいぞ。やる気を感じさせないカーチェイスなんかも、ああ、こういうの結構好きだなあ。カメラワークも、「部分→全体」をしつこく繰り返し、安っぽくもワイルドな味わい。そうそう、中盤でフランコ・ネロ(なのか?これが)がタコ殴りされるシーンなども、短いシーンだが忘れがたい。リンチを受けている背景には、ラジオからのベートーベン『英雄』が流れ、おお、このシーンはゼッタイに『時計じかけのオレンジ』に影響を与えているに違いない! え?そんなわけがない? いやまあ、こういう強引な態度こそが、「映画鑑賞のテクニック」というものでありましょう。