1.《ネタバレ》 「月曜日に乾杯!」や「素敵な歌と舟はゆく」の監督オタール・イオセリアーニのデビュー当時の作品はどんなものだったんだろう?と思ったので観てみました。ある特定の人物を基盤にして様々な人間ドラマが描かれていくというのは前述した二作品と同じですが、こちらはモノクロであるせいか作品全体の空気からややスリラーめいた印象を受けました。一応ジャンルはコメディとのことですが。何処へ行っても邪魔者扱いされる主人公、幾度となく危険な目に遭う彼の姿を見て遠い記憶の中で昔観た「鬼火」の主人公の面影がチラ付きます。街の風景を荒々しく切り取ったヌーベルバーグ調の撮り方もセンスの良さを感じさせ、最後の展開は衝撃的且つ運命的でした。