3.《ネタバレ》 最初はもうとにかくかっこいいです。画面に釘付け。映像の美しさ。キャラクターのビジュアル。アニメーションが生み出す躍動感。そのどれもが芸術の域。すばらしすぎます。日本のアニメもここまできたかと、誇らしくなります。
サイボーグによるテロ活動から物語がスタートするのも大変グッド。アニメーションがこれだけイケているのだから、ストーリーはむしろ単純なほうが良い。オープニングのテロ鎮圧のシークエンスが一番好きです。デュナンが一番かっこいいのもこのシークエンスでしょう。
で、美人が3日で飽きるように、素晴らしい映像もずっと見ていれば次第に慣れてきます。やはり最後にものを言うのはストーリーの面白さ。キャラクターの魅力。で、個人的には『バイオロイド』の設定が蛇足。『人間』と『サイボーグ』、これだけで十分です。バイオロイドの設定が、物語の面白さに結びついているとは思えません。テレウスじゃなくとも良い。負傷したブリアレオスの代わりに配属されたイケメンルーキーがいれば、同じプロットでいけたはずです。
そして後半のメインストーリー。陰謀系でいくのであればそれもいいでしょう。ただその陰謀がふわっとしすぎです。『皆一つになれば、争いは起こらない。』は観念であり、そこから導きだされるテログループの目的はもっと具体的なものにしていただきたい。『人間もサイボーグもバイオロイドもみんな洗脳』、それはわかります。で、洗脳した人たちに結局何をさせたかったのでしょう。そこが大事なのに、そこが明らかにされないまま、みんながゾンビみたいになって、突然走り出します。みんな、いったい何を目指しているのでしょう。それがよくわからないので、どーゆー危機が迫っているのがピンときません。だから緊張感も半減。『1つになる』をバカみたいに連呼されてもねえ。