9.《ネタバレ》 老いてからのウッディ・アレン作品をいくつも見ていますと、ある知人の言葉がよみがえります~。
その人は広告デザインの仕事をしていましたけど、「人のクリエイティビティは20代で終わる。30代以降は、20代に貯めたアイディアをアレンジして食いつぶしていく」ものなのだそうです。
なんだかこの言葉が最もあてはまるのはウッディ・アレンなのではないでしょうか。
そら、「マッチポイント」のような異色作も出しましたが、アレとて「20代の遺産」だと思います私は。70過ぎて思いついたものではなかろうて。
さて、金髪で若くてガタイのいい女と絡むというマンネリパターンを繰り返しているここ数年ですけども、いいかげん飽きてきた感じは否めない。それなりに面白いですよ。もちろん他の作り手のものとは一線を画していますけど、ハッとするような場面もありますけども、この先何本撮ろうとももう「新しいもの」は出てこないということに今さら気がついたのでした。
アレン作品を見るたびに期待していたのだが、悲しいけれどもカレには一応の見切りをつけるしかない。70過ぎれば「20代の遺産」を食いつぶしても当然ですよね。
ジョー・ストロンベルのパートだけは非常に面白かったです。逆にヨハンソンとヒュー・ジャックマンが絡みだすと極端にスピードが落ちたうえつまらなくなりました。最も寒かったのはヨハンソンとアレンの絡み部分で、見た目がどうとかいうよりも「無理」という言葉が浮かんだ。
ジョー・ストロンベルを前面に出してカレを主役にしたらよかったのでは~?カレだけがキャラ立ちしていてあとは霞んでいましたね。