1.《ネタバレ》 『エレンディラ』にも通じるんだけれど、かなり悲惨な話なのに、どこかコミカルなのです。ちゃんと救いがあるところもそう。フロレンティーノの情事シーンはまさしく動物的で笑えます。自分が関係した女性をリスト化しているところもオカシイ。たった一人求め続けた女性とは結ばれないのに、何百という女性のリストを作り続ける。そこに悲壮感もあまり感じられないのです。70過ぎた爺さんと婆さんのベッドシーンはいささか辛いものが・・・。いやしかし、これこそが、このオハナシのミソなんですね。「私はあなたに純潔を捧げた」なんて、若い乙女の言葉かと思えば、シワだらけで禿げた白髪頭の爺さんが言うんです。満ち足りた顔をして・・・。女として嬉しいかなあ? 私なりに想像しましたが、ハッキリ言って「うへぇ~っ」って感じなんですけど。とはいえ、映画の中のお2人は幸せそうで。あ、別に高齢者の恋愛が「不潔」だといっているのではありませんよ、フェルミーナの娘のように。いくつになってもそれはOKなんです。ただ、あまりにもリアルに画で見せられると、キツイのです、これが。・・・オープニングのサイケなバックイラストが素敵です。若くて美しい女性の裸体がふんだんに出てきますので、それだけでも十分楽しめるかも知れません。映画としては、好きな部類です。これはある種、男性にとっての「おとぎ話」なんでしょうか? 男性の感想も是非お聞きしたいものです。