1.SFかと思ったら『スピオーネ』『ドクトル・マブゼ』のような天才的犯罪者による計画犯罪が描かれ、あいかわらずの冒険映画にドキドキさせられる。犯罪の一部始終を友人に語るシーンは字幕なしの過去シーンの短いカットを適格に見せることで手早く処理しているが、こういうことが難なく出来ちゃうところが素晴らしい。で、ここからSFへ。その伏線として序盤に貧乏生活のシーンがあるんだけど、ここがちとくどいかと。それにしても月に人類が立つ40年前の映画。そこに見てとれる当時の想像力につい頬が緩む。すごく楽しい。と同時にその創造性に驚かされる。まだ見ぬものは映せないという映画の限界を超えて、想像したものを創造することができる映画の可能性を存分に提示している。