3.《ネタバレ》 主人公のベンは、見ず知らずの他人7人に対し、“ある計画”の上で各人の運命を変える“贈り物”を与えていく。
主人公を演じるウィル・スミスの瞳の中に在る決して消えることのない“愁い”が、とても印象的な映画だった。
主人公の「行為」が本質的な意味で正しいかどうか、それを判断することはとても難しい。
別の方法を選択すべきだったとも思うし、本人にとってはそれ以外無かったという決断も理解できる。
自らの中で膨張する思いに耐えきれず、断固たる意志のもとに下した"決意”は、その正当性を度外視して、心が揺さぶられる。
そして、その一連の行動の中で、残酷にも恋に落ち、愛の元で最後のプロセスを実行する様に、涙が溢れた。
この映画は、観客それぞれの価値観において、大いに是非が分かれると思う。
ただ僕は、一人の男がひたすらに苦悩し、不器用で愚かな決断をする姿に、人間の人間らしい部分を感じずにはいられなかった。
物語の美徳的な部分ではなく、そういう人間の不完全さを目の前にし、感動した。