11.《ネタバレ》 80年も前の作品なのに古臭さを感じさせない、卓越したセンス。台詞も笑わせ方もおしゃれです。脚本にビリー・ワイルダーが入ってるのか・・納得です。 クールな美貌のグレタ・ガルボは初めのうちの共産党の申し子みたいなカッチコチのキャラがハマってて、ここら辺が一番面白かったな。恋をしてどんどん柔らかくなってゆく彼女を見るのも楽しかったけど。 旧ソ連への批判も、笑いを削がないよう絶妙な匙加減に留めていて上手いですね。みんなとパリの歌を歌ってたら、つかつかと他人が横切って行ってしーん、となる場面とか。本来ならおっかないシチュエーションなのかもですが、笑っちゃいますよね。 ラストシーン、名前の電飾切れに抗議するやり方が共産圏のデモそのもの。最後までくすっとさせてくれました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-02 16:27:24) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 グレタ・ガルボの魅力にヤラれてしまいましたねえ。年齢的には34歳、なので『グランド・ホテル』や『椿姫』とかのときの方が、見た目にはより瑞々しさがあったと言えるかも知れません。しかし、登場直後のボリシェヴィキ的冷血人間な様子(この時点で既にたまらなくユーモラスですが)からの、それが完全に蕩けだす件の大笑いの名シーン、引き続きメロメロにメロドラマを演じつつ、果ては酔っ払って大ポカをやらかしちゃったり、ガルボがそんな諸々の表情を見せていくサマだけでも十二分に楽しんで観てゆけます。 基本的には共産主義を笑い飛ばすべくつくられた風刺劇で、ガルボが高潔な理想に燃えているにも関わらず、ソ連側の描かれ方はかなり粉々にネガティブだと感じます。一方で、大公妃もまた傲慢極まりない俗物として描かれているため、右か左かというそこら辺に関わるシニカルな笑いの描写には、総じてあまり好い印象を受けなかったのも率直にいって事実であります。 ですから個人的には、あくまでラブコメに徹した部分を楽しもうという風に観ていました。結論的にはその分にしても、かなり面白く観れる作品だと思います。ガルボ・ファンなら絶対に必見と言えるでしょう。 【Yuki2Invy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-26 02:44:55) (良:1票) |
9.日本ではラグビーW杯以来、「笑わない男」ってのが流行って(?)ましたが、こちらは、笑わない女。 ソ連ジョーク満載で、共産主義をからかったネタが次々に出てきますが(駅に迎えに行くシーンで、ソ連の役人かと思ったらナチス党員だった、というのは、今にして思うと、ちょっと毒が効き過ぎなくらいの鋭いネタですが)、筋金入りの共産主義者と思われた無表情のニノチカが、つい笑ってしまうくだりで物語は大きく転調します。このシーンも、「いくらレオンがジョークを言っても笑わなかった彼女が、レオンの失敗を見て笑う」という展開になっていて、やはり物語の転機としてはアクシデントほど効果的なものは無い訳で。 だもんで彼女の「笑い」は映画の中でなかなか印象深い事件となっているのですが、正直、タイミングとしては少し早すぎですかね? もうちょっと険悪な雰囲気で粘ってくれてもよかったかも知れず、二人がネンゴロになってからがちょっと長いような気もいたします。 基本的に共産主義をからかって、ソ連人が自由社会の楽しさにかまけていく姿、しかしそれこそが人間らしい姿、を描いているようにも思える反面、レオンと使用人との関係などには彼の「いい加減さ」も容赦なく描かれていて。 冒頭から映画にコミカルな味付けをしている3人組が、ラストでは共産主義と自由主義をうまくブレンドしてみせて、気の利いたオチを提供しています。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-13 21:44:11) |
8.《ネタバレ》 資本主義と共産主義の対比を難しく考えさせることなく非常にシンプルに解り易くした事が本作にとっては余計な事を考えずに楽しめるという意味では良かったと思うし、所々でビシッと印象に残るいい台詞が挿入される脚本は顔触れを見ると流石と思わされます。ニノチカが3人組の前に初めて登場して暫くはまさにイメージ通りのグレタ・ガルボ。その伝説の大女優グレタ・ガルボの表情に変化が生じていく様子と、同時にバリバリに共産主義で固めたニノチカの心に変化が生じていく様子を同時進行で見せる。序盤からいい味を出していた3人組が中盤にその存在感が薄れてしまうのが残念ですが、帰国後のニノチカと再会した3人組の楽しそうな夕食と祖国にある息苦しさを感じさせる場面がいいですね。「思い出までは検閲できない」という台詞が特に心に残りました。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-11 16:29:50) |
7.《ネタバレ》 男女の小粋な会話は上滑りすることなく二人の心情を表しており、彼女が骨抜きにされてしまう過程には酔ってしまいました。その後のよろめき加減に白けていきましたが、17時40分の便で帰国したのには参りました。統率力、愛国心、誇り高さを失わない彼女に敬意を表します。出来すぎ感のあるラストですが、絶妙の存在感のある同士三人組が心地良い余韻を残してくれました。 |
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6.《ネタバレ》 導入部、宝石売却の指令を受けた3人のロシア人中心に進む展開が、惚れぼれするくらいに楽しいですね。この3人は全編に渡っても、練り上げられた台詞を絶妙なかけあいで楽しませてくれます。このあたり、いいなぁ、本当にいいなぁ、と思います。ただ1本の映画として思うのは、(素晴らしく面白い要素の集合体が、その完成品としてはそこまで面白い作品として仕上がっていないな)という皮肉めいた表現になってしまいます。一番引き付けられたのは、ガルボとメルヴィン・ダグラスが初めて出会ってから、キスシーンまでの流れです。後にワイルダーが監督した『お熱いのがお好き』でモンローとトニー・カーティスが、ちょっと捻って(立場も替えて)演じたキスシーンより、こっちの方が色気を感じてしまうのは、演出が巧いのもあるでしょうけど、「科学的には既に共鳴し合ってる」という邪念の無さが観る者に伝わってるからなのでしょう・・・。こういう随所にいいな、楽しいな、と思えるシーンが散りばめられていることだけは確実だと思いますし、好きな映画であることに違いはありません。 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-26 09:18:41) |
5.グレタガルボが笑うまでがやや唐突で、見ているほうとしてはそれほど大笑いしなかった。 【HK】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-21 21:01:03) |
4.《ネタバレ》 一見、コメディタッチのラブストーリーなのですが、話の随所で 共産主義を皮肉っています。「生きるべきか死ぬべきか」の映画のときといい、皮肉をルビッチ的に嫌味なく見せているのがすごいですし、純粋に面白かったです。 【まいった】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-11-08 00:52:26) |
3.無表情の時と笑顔の時の、ガルボのギャップがとてもおかしかったです。台詞で笑わせる、B・ワイルダー独特の脚本が特徴的でした。現在見ると、世界情勢が当時とだいぶ違っているので、ステレオタイプな映画ですが、主義の違いを逆手に取った上質のコメディでした。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-01-14 18:24:49) |
2.ビリー・ワイルダーが脚本やってたので見てみました。うまい台詞回しとお馬鹿3人組が楽しかった。結構無理やりなところもあったけれど、ほとんど気にならなかった。映画のメインは恋を知って柔らかくなるグレタ・ガルボなのだろうが、個人的には笑顔のグレタ・ガルボより最初の鉄面皮のほうがぴったりのような気がした。娯楽映画として十分な作品だ。 【思込百遍】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-08 14:42:03) |
1.ガルボの演技に賛否両論ですが、なかなか、どうしていい「味」を出している。「ミルク抜きのコーヒー」があっても、「ガルボ抜きのニノチカ」は考えられない。 【STYX21】さん 7点(2003-11-14 05:23:33) |