6.《ネタバレ》 いやーこりゃ面白い!まさに痛快。ベースは『続・夕陽のガンマン』で、あとはガンガン好きなものぶち込んでみました、という潔い作品。ド派手なアクションは冒頭の列車バトル→闇市での銃撃戦→大平原での全員集合チェイスと、徐々に激しさを増す構成でナイス!特に大平原チェイスは、劇中でドウォンが語っていた「人生は追いつ追われつの連続」を、コソ泥vs馬賊団×2vs関東軍vs賞金稼ぎでカオスに展開。そこで流れる「悲しき願い」と、ウィンチェスターライフルをぐるんぐるん回しながら馬を駆るドウォンにテンション上がりっぱなし。この豪快な物量作戦には参りました。
ただそれ以外の部分では間延び感が否めない。『続~』の冗長さをも魅力にしてしまう雰囲気は出せていなかった。『続~』では、コイツがアイツを追っかけて、ヤツがアイツを利用して、コイツがアイツと手を組んで・・・と展開していたものを、ほぼ全員宝を見つける事だけに絞った事で、簡潔したというより希薄になってしまったところがある。それと、本作はユン・テグ中心で語られていくが、やはりここはドウォンを映画の世界観への案内役として立てた方が良かったのではないだろうか。
もしくは、ユン・テグをもう少し掘り下げて過去の残酷な自分を忘れようと明るく振る舞う男として描いても良かったかもしれない。劇中でもドウォンとの会話で「心が痛む」と言っていたが、もう少しここは拡大してもいいと思う。
他にも、ユン・テグの正体がバレるのが大平原チェイスの直前だったり、エピローグがドウォンとユン・テグの再決闘だったりと、魅力的なシーンがたくさんあった。確かにこれ以上尺を延ばすと全体としては辛くなってくるだろうと思うので悩ましい所。
ただ何より、たたずまい一つで画として魅せてしまう3人は本当に素晴らしかった。 それだけで十分と言っていいくらいに。