2.《ネタバレ》 いやー、相変わらず凝り性な監督だこと。「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」に通ずる細かい小道具や、映像、BGMなどのセンスは言う事なし。
上記2作が、割とダークファンタジー、ダークSFであったのに対し、本作は飽くまでもポップでライトなコメディ。ひたすら軽い。
高くもない低くもない変なテンションを保ったまま、飽くまでも軽い。
それが楽しくもあるんだが、テンションの上がり下がりが少ないため、抑揚が弱くなってしまっているところがある。もっと緊張感のあるシーンがあっても良かったかと。
それと、妙なフレンチユーモアがイマイチ笑えなかったから、この映画の変なテンションにもノリ切れない部分もあった。
何だかんだ言っても、コレに似た映画ってあんまりなく、独特の世界観はやはり素敵。
決してただのオシャレ映画監督でないジャン・ピエール・ジュネ監督の味が充分に発揮されているのは確かで、毒っ気も薄く、嫌な気分になることはまずないと思うので、誰にでも安心してすすめられるコメディであると言える。
ノリきれなかったのに関わらず、何かもう一回見たい気がする妙な映画。
でもこれ、いたずら(ミックマック)ってレベルじゃないだろ。