21.《ネタバレ》 レビュー見て、意外とボクシングシーンのリアリティーで点数を下げている人が結構いるのが意外でした。はっきり言ってこれはボクシング映画ではないでしょ。作品のモチーフからすれば、まぁ、もっと本物っぽく撮ってもいいのかもしれないけど、デヴィッド・O・ラッセルなら必要ないと考えてもおかしくない。テーマである家族の切れそうで切れない絆を若干カリカチュアした演出だが、手堅くまとめている。ストーリの運びは優等生的で親子関係、恋人関係の葛藤もちゃんと描写し、文句のつけるところはない。ただ、この監督の特徴かもしれないけど、あまりにも手堅くまとめすぎて、展開も読めるし、こじんまりとしちゃってる感が強い。エンディングは思ったより盛り上げてくれたので、想定を少し上回ったので1点プラスしようかなとも考えたけど、この人頭がいいからそこまで計算しているかもしれず、理に勝ちすぎて心揺さぶるまでのパワーを持った作品とまでは言い難いのでこの点で。それでも登場人物の感情の動きをちゃんと設計図通り組み立てられる能力は監督としてはけなすべきものではなく、決して嫌いではないです、デヴィッド・O・ラッセル。 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-01-09 23:11:45) |
20.《ネタバレ》 皆さんの言うように、ボクシング・スポーツ映画というよりは家族ドラマの要素が強い。 そしてやっぱりウォルバーグ演じる主人公よりもクリスチャンベイル演じる薬中の兄、メリッサレオ演じる毒親が強烈過ぎて、主人公は完全に食われており、主役としても役者としてもマークウォルバーグは損な立場という感じ。町の美女と簡単にくっついたり、兄と母親と決別→和解の流れ、兄が教える試合の作戦など、どれもこれもが「えっそんな簡単な感じでいいの?」という展開の連続で、あっさり描かれ過ぎているような気がした。主人公のサクセスストーリーも、家族の絆の再構築というサブストーリーも、どちらも中途半端な印象が拭えず、いまいち気持ちが入っていかなかった。おまけにボクシングシーンのリアリティーが薄く、バラエティー番組ばりに「バシッバシッ」とパンチの効果音がでかすぎて何か少し笑えてくるほどだった。 とまぁ散々悪いところを書いて来たけど、クリスチャンベイルの本当に薬やってんじゃないかというくらいの薬中ぶりと、エンディングのご本人登場で気づかされる完全コピーな憑依的演技は素晴らしく、最後は何だかんだで爽快感と熱いものが込み上げてくるので、観て損はしなかったなぁという感じ。 【eureka】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-16 10:38:51) |
19.《ネタバレ》 パッとしなかったボクサーがチャンスをつかむという点、ロッキーみたいなオハナシなんですけれども、コチラはあくまで実話がベースなんですよ、と。ロッキーのパクリでも何でもないんですよ、と。確かに私も実話と言われりゃチト弱いんですけど、一方で実話が制約にもなったりしかねない訳で。だもんで、本作も「いえいえ決して実話ということに寄りかかってはいませんよ」とばかりに、クリスチャン・ベールが念の入った役作りをしたり、マーク・ウォールバーグが引き締まったボクサー姿の一方で腹の出たたるんだ姿を見せつけてこちらも役作りの徹底ぶりをアピールしてみせたり(エイミー・アダムスの腹が出ていたのも役作りなのかどうなのか)。と、皆さん身を削って本作に打ち込んでおられるのですが、映画のラストになって「ああきっと本作のモデルになったご本人がラストに出てくるんだろうなあ」と思っていると、やっぱり本当に出てきて、しかも(劇中で自分がこんな風に描かれていることも一向に意に介さず)いい味出しまくってる、俳優がいくら頑張ろうと、最後にご本人にすっかり食われちゃいました。 それにしても、本作のボクシングシーン、もうひとつ迫力に欠けていて(このいかにも「本当には戦っていません」という感じが・・・)、盛り上がりきれず、これも実話ベースゆえにあまりアホで派手な演出はできなかったという一種の制約なのかも知れません。となると、一番迫力があったのは、あのお母ちゃんですわな。まさに妖怪。このお母ちゃんがいて、あのお兄ちゃんがいればこそ、ウォールバーグの不器用そうで一途な表情が光る。家族に囲まれ、恋人もいて、でも時にファイターは孤独なのだ、とその表情が語る。そこが、いいですな。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-12-02 00:13:21) |
18.《ネタバレ》 家族の常識は社会の非常識なわけで、どうしようもない家族をどこまで許して、どこまで付き合うのか?というのは人類にとっての永遠の課題であり、数多の映画がテーマとしてきた。イチバン盛り上がるシーンは兄貴が彼女の家に乗り込むトコですけど、各々挫折し、でも満足しようとしているお互いの人生をクソ呼ばわりしながらも、お互いにやり直そうとしているという共通項で和解する過程は中々うまくできているなと感じました。ま、多かれ少なかれ、他人の人生はクソで、自分の人生は立派だと思い込んで生きてくしかないわけですけど。が、総じて、確執から和解への過程があっさりしすぎていて、もっと葛藤の描写があってもよかったような気もします。 |
17.《ネタバレ》 元良選手の兄、そのマネの母と家族、それと対立する彼女やセコンド達らとのヒューマンドラマが中心のボクサー映画。もっと練習や試合を乗り越えていくシーンが多いとよかったですね。マークも体格の変化がすごかったですが、クリスチャンベールは作品毎によく体型が変わりますね。 【とむ】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-09-24 00:23:25) |
16.《ネタバレ》 愛しいけれど厄介な家族がいる私みたいな奴にはなかなか見応えがあったなぁ。同情やら俯瞰視やらいろんな気持ちになってしまった。個人的には事実に基づく映画ってのは1個人の空想作品なのであまり好きではないのですが、今作は歴史が浅い分あまり疑わずに観られましたね。まぁ脚色も多いでしょうが、なんせ証人がご存命ですし。そう思って鑑賞後、スタッフロール部分の御本人登場にびっくり。役者さんとの雰囲気がまるで一緒で微笑ましかった。クリスチャン・ベイルの役作りはやっぱ凄いですね。本作鑑賞後さっそくミッキー御本人の映画最後部の試合をネットで検索して見た。映画の様にカッコいい試合運びでは無かったが、本物のボクシングの試合の方がやはり面白いね。映画はやっぱり映画だわ。 【movie海馬】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2014-03-13 22:18:11) |
15.親父以外はキチガイばかりの無理やり美化しようとする部分がちとはなにつく。 なんとなく亀田兄弟思い浮かぶ作品。根は悪いやつじゃないんだろうけどなぁ。 【とま】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-01 01:58:01) |
14.《ネタバレ》 むかしはデ・ニーロ、いまC・ベール、と謳われる役作りぶりはオスカー受賞も当然でしょう(もっとも、もう体をいじめる役作りはしないと受賞後の記者会見で言ってましたが)。まさか本当にヤクを射ったのじゃないかという変貌ぶりで、その体であれだけイカれたキャラを演じるとは恐ろしい役者根性です。おまけに母親が下品なM・レオとくれば、主役とは言ってもM・ウォールバーグもおとなしい演技をするしかないというのは納得です。この映画はボクシングではなくてボクサーを描いているんだと思えば、試合シーンの迫力の無さもあまり気になりません。「人を殴る」という格闘技としてのボクシング映画となると、しょせん『ロッキー』を超えることは無理なんですから。 それにしてもこの映画は品のない登場人物ばかりで、まあそこがリアルというわけなんですが。唯一お父さんのジョージぐらいかな、善い人だなって和ませてくれたのは。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-02-11 01:21:52) |
13.家族がカス過ぎて腹立つ・・親父さんが唯一まともでよかったよね。ミリオンダラーベイビー思い出しちゃったよ・・。 それはさて置き、僕はとても好きな映画です。兄貴は腐っても兄貴だったし、弟はなんだかんだで家族を愛してるわけですね。そういった心の葛藤がすごく伝わってきました。 【ライトニングボルト】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-01-14 01:12:41) |
12.《ネタバレ》 コアなボクシングファンである私としては突っ込みどころ満載の映画。特に皆さんおっしゃっている試合のシーン。僕の場合は多くの方と逆で派手すぎるところ。ロッキーの影響が今でも大きいのでしょうが、実際のボクシングではクリーンヒットが一発当たれば大体試合は決します。描かれているような大振りも滅多にありません。実際のボクシングは試合時間の大部分が非常に地味なものです。映画ですから多少の演出は必要ですが、それも踏まえたうえで、もう少しリアリティを出して欲しかった(それでもミッキー・ウォードはそういった有り得ない展開を巻き起こすことが多い稀有なボクサーではあった)。 とはいえ、この映画はボクシングを題材とした兄弟の物語。不器用で朴訥な弟、過去の栄光にすがって現実逃避し薬に逃げている兄、息子のためと言いつつ自分のため?としか思えないうるさい母、ストレートすぎる恋人などのキャラが面白く、テンポもいいのであっという間に見終わりました。取り巻きをミッキーなりに一喝する「試合は俺が戦うんだ!」という言葉により皆が一つになるくだりは、もう少しインパクトがあっても良かったかな。また、ボクシングファンとしてはシュガー・レイ・レナード、マイケル・バッファー、ラリー・マーチャンド、ロイ・ジョーンズjr、レノックス・ルイスらが出演(声含む)し、クレジットに名前があったのもうれしいですね。 ちなみに実際のミッキー・ウォードはこの映画の最後に描かれた試合のあと、人気ボクサー、アルツロ・ガッティとの伝説的3試合で数億円の大金を手にしたはずです。日本のボクサーではまず無理で、アメリカでも一握りのボクサーしか得られないファイトマネーですね。 メジャー団体の世界チャンピオンになれなかったボクサーとしては極めて異例なことだと思います。 【レイブンのかなづち】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-15 16:43:22) (良:1票) |
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11.《ネタバレ》 ダメアニキにモンスターペアレント、前半は重たいどん底ドラマで観ちゃいられませんでしたが、周囲が徐々に団結し兄弟二人三脚でアメリカンドリームを目指す姿に引き付けられました。まるでフィクションのような実話です。鬼気迫る形相、クリスチャン・ベイルの減量ぶり。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-01-03 16:00:20) |
10.これは役作りのためにヤクやったんじゃないか‥ 【akila】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-10-23 14:50:10) |
9.本作に含まれるアイコンは貧困に麻薬に刑務所、「レイジング・ブル」並みに暗く重く作ることもできた題材なのですが(最初に監督を依頼されたのはマーティン・スコセッシだった)、そこをあえてユーモアを交えたポジティブな作りとしています。底辺でもがく人々がボクシングを通してひとつになるという物語は現代版「ロッキー」であり、「ロッキー」同様、本作は脚本も演出も正攻法です。正攻法であるが故に安心して見られる仕上がり、見応えには若干欠けるのですが、それでも2時間はきっちり楽しませるドラマとなっています(当初の予定通りにダーレン・アロノフスキーが監督を務めた場合には、どのような仕上がりになったのかが気になるところですが)。そんな感じで脚本・演出は水準並みなのですが、一方で演技のレベルは非常に高く、特にクリスチャン・ベールが凄いことになっています。弟の足を引っ張る不真面目なヤク中であるが、同時に天性の無邪気さによって誰からも好かれる明るい人物という厄介な役どころなのですが、ベールはこれを完璧に演じています。ディッキー・エクランド本人が登場するエンドロールを見るにもはや憑依の域に達しているほどベールはディッキーそのものに成りきっており、これは何か賞をやらねばと思わせるほどの熱演を披露しています。ディッキー役はブラッド・ピットが演じる予定だったもののスケジュールが合わずに降板し、ウォルバーグよりも歳下のベールが演じることとなったのですが、このキャスティングは正解でした。一方お気の毒だったのがウォルバーグで、ひたすら真面目にボクシングに取り組むミッキー役という役者としてはあまりおいしくない役どころを引き受け、案の定、ベールの引き立て役に徹しています。ただしウォルバーグの演技は決して悪くはなく、クセの強いキャラクターが入り乱れる物語の軸の役割をきっちりと果たしています。彼までが自己主張の強い演技に走っていれば、映画は空中分解していたことでしょう。思えば、かねてからウォルバーグは脇役を引きたてることを得意とする俳優でした。過去にはバート・レイノルズ、ティム・ロス、チョウ・ユンファらから素晴らしい演技を引き出しており、受けの演技をさせると彼は非常に巧いのです。巧くはあるが、本人は評価されないことが悲しいところですが。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2011-10-20 19:30:47) |
8.う~ん、期待してたのに..「だから、どうした」 的な内容..拳闘シーンも幼稚..残念... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-10-12 12:55:57) (良:1票) |
7.私の感想は「あーきっと“アメリカ人にとっては”“癒し”になる映画なんだろうなあ・・」ってこと。未曾有の地震が起きた今、じゃあ日本人に癒しになるような映画ってどんなもの?って思わないではいられない。話がそれましたが、本作はクリスチャン・ベールが今までとは別人のような役作りでオスカー獲得もなるほどって感じでしたが、ちょっとカリカチュアがすぎるんじゃないの?感もあり、またお母さん役の人もしかりで、過去のボクシング映画を越えるほどのものには思えませんでした。 【おばちゃん】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-08-07 07:58:58) |
6.物凄くオーソドックスな撮り方のされている映画なんだけど、それ故にシンプルに受け手に伝わり易い映画になっているのだろうね。こういう映画こそ非常に演技力を求められると思うのだけど、この映画では役者達がキッチリと演じきれていると思いました。だから、同じ状況に無い筈のあたしも、その場に立ち会っている様な感覚があったし、変な力の入り方している事に気が付いた時に少々恥ずかしかったりしてね。でも、それで良いんだろうなぁと、素直に思えるのがこの映画なんだろうね。こうした映画を日本では残念ながら作れる環境が整えられていないな、と実感すると同時に、こうした映画を生み出せるアメリカ映画の力には敬服します。 【奥州亭三景】さん [映画館(吹替)] 7点(2011-06-05 09:58:41) |
5.《ネタバレ》 ストーリーは至極単純なものです。一人のボクサーの挫折と復活でしかないのですから、これはそこら辺にありふれた型でしょう。しかしこの映画が只のボクシング映画に終始していない理由は、ボクサーの家族、もっと言えば兄との関係にグッとピントを絞っているからでしょう。ミッキーの兄であるディッキーは誰がどう見ても過去の栄光にすがっているだけのクズ野郎。マネージャーをしている母・アリスもとても良い母親とは言えないでしょう。周りの姉妹に関しても同様。ミッキーの立場からすると、家族を切り、彼女と新しいセコンドを選択することは当たり前に思えるでしょう。でもそう簡単に割り切れないのが家族の絆というもの。だからミッキーは極限まで悩み続けなければいけない。今までの家族の関係を切り、新しい居心地の良い家族を迎えることの難しさ、は一般的な問題であるので、観客の私も一緒に悩んでしまいました。 役者陣の素晴らしい演技は言うまでもありません。全員が良くあれだけ下町訛りの英語を自由自在に操れるのか本当に不思議ですね。特筆すべきなのはクリスチャン・ベールでしょう。前作のバットマンを撮る前にも、マシニストでとんでもない肉体改造をしていましたが、今回もバットマンの撮影を控えている身で、あの肉体造り。彼の体がやや心配になってしまいました。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-05-07 22:14:36) |
4.《ネタバレ》 「ザ・ファイター」というタイトルはあまり相応しくないかもしれない。これは「家族のかたち」を描いた映画だ。典型的なステージママであり、早くにボクサーとしての才能を開花させたディッキーをえこひいきする母アリス、かつてシュガー・レイからダウンを奪ったという過去の栄光にしがみつく兄ディッキー、そして主人公ミッキーの収入を当てにする膨大(笑)な数のニート姉妹達。主人公のミッキーはその負わされた責任を時として受け入れ、時として反発し、どちらにしても葛藤する。 バーの女のシャーリーンと出会い、つかの間の慰安を得る彼だが、彼女と家族との関係は悪く、新たな心労の種にもなってしまう。このシャーリーンを絶対善として描かず、やや突き放した描写を行っているところがこの映画のうまいところだ。人間は他者を100%理解することはできない。誰かを愛することはできても、その誰かをいつも助けることはできない。彼の心の拠り所となりながらも、彼の家族との対決姿勢を強め、結果的にミッキーにストレスを与えるシャーリーンというキャラクターがこの映画の肝だ。少し体形を崩したエイミー・アダムズは良い演技をしている。 また、ディッキーを演じるクリスチャン・ベールの並外れた演技力も恐ろしい。アリス役のメリッサ・レオと共にアカデミー賞を受賞したが、それもうなずける。エンドクレジットで実際のディッキーが映るが、ベールはまさに彼になりきっていた。 最後に、この映画の中で、主人公のミッキーはボクサーであるとともに家族とも闘い、自分で運命を切り開くという宿命を一貫して背負っている。そういう意味では「ザ・ファイター」というタイトルは相応しいのかもしれない。 【枕流】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-05-05 20:35:20) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 主人公は世界チャンピオンにまで登りつめたボクサーだけど、家内制手工業でボクシングをやっていることに驚いた。その家族仕立てが原因で一度は挫折し、やり直して成功する。簡単に形容するとそんなお話でした。ジャンキーの兄を始めとして、息子たちを溺愛する気丈な母親、見分けがつかない7人(だったかな?)の姉妹たちがボクシングのマネジメントに口を出す。「外野がうるさい」状態です。家族の繋がりは無条件の信用の証でもあるが、同時に甘えの構造でもある。ストーリーの前半はそれが悪い方向へ転がり、チーム体制は崩壊します。出所した兄を、周囲に反対をおして受け入れる主人公。不満を募らせても家族から離れない彼のスタンスは、実はプロとして甘っちょろく見えました。リングで殴り合うような商売をやりながらも、家族に寄り添う小市民という印象です。本作はその姿勢を肯定も否定もせずに追って行く。主人公の恋人が母親たちと喧嘩するシーンがあるが、言い争っていることの内容が幼稚園レベル。結局、家族まわりの心情的なもつれなんて、とても次元の低い話なんですね。この家族は全員がお互いを大切に思っていました。兄の出所祝いは感動的でした。それは家族にとって最も基本的な、そして最も大切なことです。そこさえ揺るがなければ、多少の問題は乗り越えて行ける。振り返ってみると、ボクシング映画というよりは、ひとつの家族像を描いた作品でした。エピローグに兄が弟を称えて涙ぐむ短いシーンが挿入されます。唯一、これが狙ったシーンだけど、狙い通りに泣かされる。兄役のクリスチャン・ベールのオスカーは頷けます。ボクシング映画は役者に肉体の試練を課す作品が多い。本作もそのひとつ。主演のマーク・ウォールバーグは正統に体を作ってましたが、クリスチャン・ベールは元ボクサーにジャンキーの要素を加えていて、大丈夫かと思えるほど病的に見えました。体を作る膨大な時間を役柄に込めるので、演技も自然と迫真の力を帯びるのだと思いました。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-04-21 17:43:11) |
2.《ネタバレ》 クリスチャン・ベールの役作りにはびつくり。最後に映るご本人を見るとあらためて思いました。 母親とその娘達がミッキーとシャーリーンの所にのり込んでいくシーンには笑。 なんだかんだいって全員が家族の事を想っていて、家族の絆を感じる作品でした。 |