10.《ネタバレ》 冒頭に流れてくるダニー・エルフマンの音楽が、早くも我々をティム・バートンの世界へといざなってくれます・・・あ、違った、サム・ライミなんだそうです。 売れない奇術師が、ひょんなことからファンタジーの世界へと飛ばされてきて、魔女と戦うハメになる、というオハナシ。奇術を駆使して敵に一泡吹かせようとする、なんて聞くと、映画の特殊効果マンが持ち前の技術を駆使して敵と戦う『F/X 引き裂かれたトリック』なんて作品を思い出したりもするのですが、本作の面白さは、そういう物理的な部分にとどまらなくって、そう、まさにあのMGMの『オズの魔法使』におけるオドロキにも繋がるものがあります。CGなんぞ当然無い時代に、まさかと思うような不思議を、カメラを通じて我々の前に展開してみせたあの映画は、まさに一大奇術ともいうべき作品で、驚きと楽しさに満ちておりました。一方の本作、モノクロとカラーを使い分けるなどして明らかに『オズの魔法使』を意識した作りになっているけれど、だからと言ってもはやCGの時代にアレと同じことはできない訳で(同じことしようとしたら、単なるギャグになっちゃう)、そこは一線を画して、CGならではの面白さを追求してます(あのエテ公のいつも困ったような表情、可笑しいと同時に愛着も湧いてきて)。ただ、それでもなお、奇術師を主人公に据えただけのことはあり、ここにはやっぱり『オズの魔法使』と同じく、奇術の楽しみがあります。CGが使えるからといって何でもかんでも見せりゃいいってもんじゃない。相手の意識を手玉に取り、裏をかき、時には相手をじらせ、時には見てないものを「見た」かのように相手に錯覚させる。主人公の言動にもそういうのが現れていて、空中浮遊の術の最中に「ワイヤーで吊ってるぞ」と騒ぐ観客の前で、そのワイヤーを切って見せるのなんか、まさに裏をかく楽しさだし、それと同時に、映画観ながら理屈ばっかりコネてるんじゃねえぞ、と言われてる気もしてきます。終盤、いったん魔女に倒されたと見せかけた後で復活するまでの間、「まだ早い!」とじらせ続けるのなんかも、「復活する」という事実が楽しいんじゃなくって、そのじらされる緊張感を演出することこそが、奇術の、そして映画の楽しみなんでしょう、と。しかも、いざ復活のゴーサインを出したらトラブルでうまくいかず、我々も焦らされる、というメタ構造のオマケ付き。 さすがティム・バートン。あ、サム・ライミでしたっけ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2016-12-29 12:07:32) |
9.《ネタバレ》 女好きでお調子者の奇術師オズ。ひょんなことから竜巻に巻き込まれ、天空高くへと吹き飛ばされてしまった彼は、自分と同じ名前の不思議の世界へと迷い込んでしまう。しかし、そこは悪い魔女の脅威に怯えながら暮らす人々の王国だった。美しい女性に世界を救う魔法使いへと間違われてしまったオズは、生来の女好きのせいでそんな魔女を倒すため旅に出ることになるのだったが――。すみません、オリジナルのオズの魔法使いのお話はほとんど知りません(辛うじて、喋るかかし?ブリキの人形?のイメージがあるくらい)。でも、さすがサム・ライミ、そんなの抜きにして普通に面白いじゃん、これ。極彩色の美しいファンタジー世界を背景に個性豊かな登場人物たちが繰り広げる、まあベタですけど王道のストーリー展開には最後までワクワクさせられちゃいました。魔女の妹が覚醒して緑の怪物になるところが、もうまんまグリーン・ゴブリン女版なのはご愛嬌(笑)。ちょっぴり残念だったのは、個性豊かな人間キャラたちに比べてCGキャラのほうにあんまり魅力を感じなかったこと。空飛ぶ猿なんて全く可愛くないし(笑)。ファンタジーに関して言えば、やっぱりティム・バートンのほうが遥かに上だね。それでも、軽ーいお調子者だったオズが自分の特性に目覚めて、最後、奇想天外な方法で魔女をやっつけたトコなんか素直に楽しめました。うん、けっこう面白かったっす! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-04-25 07:17:50) |
8.《ネタバレ》 スタートのモノクロ映像から色彩豊かな世界への移り変わりで観ているこっちも違う世界へ飛ばされる感じがいい。しかもCG感たっぷりの街並みがよりファンタジーな雰囲気がでていた。そんな世界にオズのやる気のない感じがとてもマッチしていて面白い。戦い方も倒すというよりは追っ払うのでこの作品の終わり方として良かった。 【ぷるとっぷ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-12 01:49:57) |
7.映画界きっての優等生ディズニーが作ったファミリー映画。当然、老若男女幅広く指示されることを意図した手堅い王道プロットでいくんだろう…と思いきや、これが必ずしもそうではない。一応、全体的なストーリー上における「起・承・転・結」は正確な位置に配置されているので(さすがディズニーですね)一見すると王道プロットに思えるんですが、実は結構変則型。例えば「最初は敵かと思われた存在が味方になってくれる」という鉄板パターンにもつれ込むまでに一時間超もかかっている。それでいながら「主人公一人では処理しきれない脅威」が襲ってくるよりも前になっている。なんでまたこんな横着な運びにするのか? それはこの映画が75年も前に作られた、穴だらけの設定を持つ映画「オズの魔法使」の続編(というか前編)だからです。ディズニーの苦労は察して余りあります。「前作の設定をうまく生かしつつ…それでいて前作を知っている人でも新たな発見があるようにしつつ…それでいて要所要所では前作のオマージュがでるようにしつつ…しかもそれらがセンス良く繋がるようにしつつ…それでいて前作の設定には絶対に矛盾が出ないようにしつつ…」こんな作り方でプロットに影響が出ないほうがおかしい。この問題をどう処理したか?「本物の魔法使いではなく単なるペテン師だということがいつばれるんだろう…」というハラハラ感をかなり後のほうまで持続させることによって、実は結構だらだらしたストーリーであるというのを隠すという方法に出た。これがなかったらこの映画は本当に大したストーリーじゃないです。それから前作に対する並々ならぬ愛も感じられました。途中に出てきたチキンなライオンは、前作のライオンのお父さんじゃないでしょうか。シャボン玉浮遊のオマージュも「そうか、そこで使ってくるか、うまいこと入れるなあ」と感心します。眠りの花もまたうまいこと絡めてくる。最後の決戦で例のトリックが出てきたときも「うわ!そう来たか!これは超萌え萌え~!!」って感じでテンション上がりまくりでした。ここでの評価はえらく低めですが、私は、ストーリー上の縛り要素が満載の映画にしてはむしろ大健闘したほうだと思います。8点でもありかなという感じの7点です。 【バーグマンの瞳】さん [地上波(字幕)] 7点(2014-05-28 11:30:24) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 グリンダが出てくるのが遅いので、誰が味方か敵なのかが分かりにくい展開になったのでは。なので三人の魔女それぞれに同情してしまった。オズの物語自体が東洋人の自分には刷り込まれていないので評価に苦しみます。イエローブリックロードはE・ジョンのあれですかね? 【kaaaz】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-11-30 00:13:28) |
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5.カンザスでの前置きが長いなぁとか思ってたけど、それがオズでの物語と繋がってるのが良かった。 中でも陶器娘が愛らしくて、でも、ちょっと生意気でいいキャラに仕上がってたと思います。 映画というよりは、テーマパークのアトラクションを見てるような感じで、最後まで楽しく観賞できました。 ライオンやかかしなど、後の話にも繋がってくるキャラがちょっとだけ登場するのも嬉しい演出だったと思います。 あと、変な予備知識が邪魔して、ミシェル・ウィリアムズをそんな端役で使い捨てしちゃうの???とか、エルファバはどこ???とか、かなり騙されてしまいました。 【もとや】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-10-10 13:06:35) |
4.《ネタバレ》 白黒→カラーは良いアイデアだと思う。 (白黒世界の助手や足の悪い少女が、カラーになってもお供の猿と足の壊れた人形へと繋がってる) 偽物が本物扱いされて困る、って流れは面白かった。 【虎王】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-09-12 17:33:14) |
3.《ネタバレ》 こっくりとした油絵のような色使いは、初代「オズの魔法使い」を思い起こさせる。ごめんね、オレペテン師だから。足を治せなくてごめんね、友だちだぜってハグできなくてごめんね、「オレに付いてこい何も心配するな愛してる!」って言えなくてごめんね。ここに来たから言えるんだ、虹の向こうの世界に。 【のはら】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-09-06 15:51:48) |
2.オズの国がとてもカラフルで、オリジナル作を彷彿させます。この話があそこにつながるのか、などと比較しながら見ていると、カルトクイズをしているような、ワクワクした気持ちになりました。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-04-15 21:32:59) |
1.《ネタバレ》 よくできてたんじゃないかしら? アタシ的には、オズの国に到着した途端カラーになる演出とか、黄色いレンガの道が渦巻き状になった広場とか、遠くから見たときの景色が前作とほぼ同じエメラルドシティとか、1939年の『オズの魔法使』へのリスペクトが随所に感じられたのが一番うれしかったわ。 逆に言うと1939年の『オズの魔法使』に思い入れがない人はあんまり楽しめないのかしら??なんてちょっと心配になりつつも、セオドラ! エキゾチックで意地悪そうな顔立ちがとっても魅力的なミラ・クニスにしちゃ、なんだか世間知らずでバカっぽそうなつまんない役ねーとか思ってたら、ナルホドそういうことだったのね! 緑の魔女になってしまった経緯が切なくって…1939年の『オズの魔法使』の緑の魔女までなんだか可哀想に思えてきちゃったわよ。 ミラ・クニス、やるわね。 だってこの映画ではこの役が間違いなく一番オイシイでしょ、役者として。 ちゃんと押さえてるわー。 …笑い皺が若干気にはなるけどジェームズ・フランコもかわいかったし、レイチェル・ワイズも陰険な魔女役がとってもお似合いで。 ただ…グリンダ役はもうちょっと美人でも良かったかもね。 ミッシェル・ウィリアムズが嫌いってわけではないんだけどさ。 …まあ全体的によくまとまった娯楽作品になってたと思うわ。 ウン。 【梅桃】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-24 07:51:20) |