1.《ネタバレ》 面白かった。
しかし、パンフレットを読まないとわからないことがあったのは歓迎できないところがあります。
多くの方が思ったであろうことが、映画のはじめのほうに出てくる窓から外を見ている女の子と、エンドロールに登場する女性は誰なのかということでしょう。
実は女の子は監督の娘で、エンドロールの女性は2011年に亡くなった監督の妻だそうです。
そして冒頭のシーンでは、レオス・カラックス監督自身が「扉を開けて劇場へ行く」男を演じていました。
つまりこの映画は監督自身が人生を顧みる映画でもあるのです。
よくわからない映画ですが、わからないなりに人生観や、生と死を見つめれるのはなんとなく漫画の「火の鳥」を思わせて魅力的でした。
「火の鳥」っぽいことがもうひとつあります。
それは主人公・オスカーの不死身っぷりです。どんなことがあっても、オスカーは死なない(死ねない)のです。
このことは一番初めに演じた老人とシンクロしています。
いくつのも人生を生きたオスカーは、自分の存在を確かめられない男です。
さらに死ぬことができない彼が、少し哀れに思えました。