1.《ネタバレ》 齢百の映画監督が撮り上げた“本作”は、タイトル通りR100(=100歳未満視聴禁止)とのこと(100歳未満は観ても理解出来ないとも)。さらに監督は試写会で困惑する関係者を尻目に、恍惚の表情を浮かべていました(劇中の主役・大森南朋と同じ性癖と推測されます)。つまり①誰にもこの映画は観て欲しくない(批評して欲しくない)。②もし批判されてもマゾヒストにとってはご褒美ですよ、ということ。鉄壁の映画批評拒否姿勢です。それはもう清々しいくらい。こうなると評論家は困るでしょう。批評を拒絶している映画に高評価は与えたくないのが人情ですし、かといって低評価を付けるのも監督の注文通りのようで腹立たしい。こんな時、ただの映画好き素人は気が楽です。評論ではなく、単なる感想ですから。以下、素人の毒にも薬にもならない独り言……。本作で採用されている演出技法で印象的なのは「巻き戻し・繰り返し」。渡辺直美の唾プレイや、ダイナマイトCEOのプール飛び込み場面などで多用されています。映画というより、テレビバラエティの演出技法(BGMはマンボのリズムがお馴染みですね)。それゆえ真っ当な映画監督は(そのプライドから)使いたがらない手法ではないでしょうか。監督はそれを見越して、あえて使用している気がするのです。それでいて、ちゃんと面白いのが流石でした(巨躯CEOの膝から入水するフォルムが抜群!)。個人的には、大森のエンドルフィン放出時の顔がキマグレン(又は波岡一喜)ソックリでツボでした(笑)。映画文化自体に喧嘩を売るノリ、関係者及びファンからは総スカンを食らって当然でしょう。一文の得にもならない無駄な喧嘩。私は天邪鬼ゆえ支持させていただきます。今までの松本作品の中で、最も“もう一度観直してみたい”と思える魅力があったのは間違いありません。