3.《ネタバレ》 いやー、皆さん思ったより辛口の批評ですねえ、私はけっこう見応えがあったと思いますけど。この種の映画の十分の一という低予算だったということを考えると、セットやCGはけっこう頑張ったんじゃないでしょうか。もちろん低予算を活かしたような新手の語り口ではありますが、こういうハードなテーマに正面から挑戦したスタッフには拍手してあげてもいいんじゃないかな。衛星エウロパの描写も良く取材してあり、センス・オブ・ワンダーが感じられます。暗くて一瞬しか見せないけど、やはりあれはイカなんですよね。でも未知の天体の水中に生息する生命体がイカのような形態をしているというのは、なんか説得力がある気がします。 ストーリーテリングはモキュメンタリ―(疑似ドキュメンタリー)というほど凝ってはいなくて、地球のスタッフが知ることのできなかったエウロパでの出来事に彼らへのインタビューがインサートされるというスタイルですが、その中で流れる探査船の女性飛行士の映像にはすっかり騙されました。聞き手に向かって語り掛けているインタビューとしか見えないので、てっきり少なくとも彼女は地球に生還出来て証言しているのだと思っていました。ところがそれは通信が復旧したら発見されるように残した、いわばビデオ版遺書みたいなものだったと判って「引っかけられた!」と心の中で叫んでしまいましたよ。こういうトリックのある脚本は、私好きです。