6.美術展の受付と監視のアルバイトをしながら、カポーティの原作、「草の竪琴」を読んだ。客に何か尋ねられる時以外は読書をしてもいいよ、ということだったので。翻訳も良かったし、雨で人も来ないので、さくさくと読めた。いい作品だった。映画も観てみようと思い、借りてみた。この映画を観ると、その時の美術展の何とも言えないけだるくて、いい雰囲気を思い出す。きっと映画自体がノスタルジックで、単純に、ああ、いい映画だな、と思わせるからだ。懐かしく、少し心に痛く、古き良き時代。意外に知られていないけれど、これは隠れた佳作だと思う。