2.《ネタバレ》 色彩鮮やかなの島の描写が少し長いかなと思いつつ、曇天と煤煙のロンドンパート、さらにモノトーン気味の前線へと舞台が移るにつれて、
その対比がより際立つ仕組みであることに気付く。
複葉機と共に海中に沈んでいくクリス・パインを救う出会いのシーンと、
ラストで夜空に上昇していく彼を追うことが出来ない別れのシーンも対となるだろう。
格子に囲まれた牢獄に見立てたクライマックスの航空管制塔など、美術もよく使いこなしている。
当初、クリス・パインが実験室からノートをあっさりと盗むシーンでのサスペンス演出の無さに拍子抜けしたのだが、
後々これらの屈託のなさが本作の美点であると実感されてくる。
清々しいほど場当たり的に、後先考えず、その場その時の信念に忠実な行動原理のキャラクター達。
塹壕から出て、駆け引き抜きで堂々と歩を進めるガル・ガドットの雄姿はそれゆえに美しい。