1.《ネタバレ》 クズみたいな3人組が、クズみたいな誘拐を企むオハナシ。とにかくどうしようもない連中なんです。3人の中ではニコラス・ケイジが一番マシに思えるくらいだから、コレ、ホントにどうしようもない。
極悪で凄みを利かせた連中なんだったら、また別のピカレスクな魅力があるのだけど、ただのクズだからそうもいかない。微妙に可愛げがあったりするから、始末が悪い。でもって、事件は順調とは程遠い方向に向かっていってしまうのですが、この映画において特徴的なのは、ヒトが結構、アッサリ死んでしまうところ。犯罪映画なら普通、ここで、もうちょっと引っ張るんじゃないか、というシーンで、予想外に早く死人が発生する。これは冒頭からそうだし、主人公3人の運命も似たようなもの。
こういう部分で、「この作品、狂ってるな」と思わされる。そして、そう思わせた段階で、おおむね、作品としては成功してるんじゃないでしょうか。ポール・シュレーダー、まだまだ健在。まだまだ狂ってます。