22.《ネタバレ》 山崎貴監督にしては珍しく人間ドラマ部分も上手くいっている。原作のきめ細かさのおかげだろうか。大きく括ればミイラ取りがミイラになる話なのだが、こうも緻密に張り巡らされたシナリオには目を見張るものがある。 【ほとはら】さん [DVD(邦画)] 7点(2024-09-08 17:43:01) |
21.もっと戦闘シーンがあるかと思っていたので、予想よりも地味ではあったが、中々面白かった。一般的には海軍善、陸軍悪のように言われることが多いが、実際はそんなことはないという点は上手く描けていたように思う。海軍と言えども組織なので政治力は働くし、「理」だけでものが片付くわけもなく「情」も必要であり、そのバランスが大事ということだろう。数学の正しさ故の正義を唱える主人公は最終的にそのことに気が付いたのか否か。フィクションにアレコレ言っても仕方ないのだが、大臣・将校系は実際よりも年配のワリには総じて軽かったかな(特に山本五十六は役所広司と比べるとねえ)。原作はもっと細かく複雑に描かれているようなので、いつか読んでみたい。 |
20.《ネタバレ》 大河ドラマで菅田将暉に興味が湧いて本作品を鑑賞。 ストーリーも菅田将暉にも勢いがあると感じた。多少、舞台での演技っぽいオーバーアクションと 感じるところはないではなかったが。 戦艦を作らせない為に協力したはずが、完璧で「美しい」計算・設計をし実物を見たいという葛藤を感じました。 よく科学者や数学者が言う「美しい」。性なのか。 【S.O】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-09-12 06:11:00) |
19.《ネタバレ》 歴史的事実と実在の人物を配しているが、主人公やエピソードはフィクションであり、数学の力で戦争を止めようとするファンタジー として見るのが正しいのか。目的が最初からしっかり据え置かれていて分かりやすく、いろいろな困難を乗り越えてその目的(見積額の不正を暴く)を達成した。と、ここまでは普通のファンタジーです。そして最後まで見終えると、なかなかどうして、唸ってしまう所あり、です。軍人嫌いの計測オタク学生が、最後には何処からどう見ても軍人に仕上がっているし、美しく潔く散るために造られた、日本のそして日本人の象徴としての大和、この二つ(櫂=作られた軍人、大和=時代の勢いに乗せられた日本国民)が悲惨な歴史的事実を牽引してゆく事になる、という切ない物語なのでした。 【ちゃか】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-02-10 11:02:03) |
18.《ネタバレ》 このラストシーンだと、歴史に詳しくない人だとそのまま冒頭のシーンに繋がって沈んだと思う人もいるような作りになってるなぁ…とちょっと疑問に思ったんですが、実際の大和の戦歴を考えれば就航→中略→沖縄特攻しかないので、その理解でも実は大筋で正解だな…と思いなおしました。 それくらい大和は実戦で何もしてませんからね。 (映画冒頭で旧式化扱いされる金剛級が大戦中に一番活躍したのは皮肉なところです) 原作は未読なので細かい違いはわからないんですが、映画用シナリオとしてうまくまとめていて手堅い娯楽映画になってると思います。 細かい事なんですが、山本五十六などは実在の人名が使われている一方で、ライバル側の造船技師の人が(おそらく平賀造船局長をモデルにした)平なんとかというフィクションの人物になっていたり、そのあたりのリアルとフィクションのバランスが終始不自然で気になりました。 大人の事情?? 【あばれて万歳】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-01-08 21:30:36) (良:1票) |
17.映画自体の出来はともかく話の内容は面白かったです。 【紫電】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2022-01-06 20:49:12) |
16.戦争に関わる映画としてはかなり独特な作風でした。 前半少し音楽の付け方が過剰に思えたけれど、全体としては良かったと思います。 館さんが一瞬渡哲也さんに見えました。気のせいか。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-26 17:16:38) |
15.《ネタバレ》 ひたすら、戦艦派見積もりの矛盾点を解明する主人公、その展開を以て、開戦不可避だった歴史を回顧するシナリオ。 観賞後、無性に面白かったと思わされました。 【Postef】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2020-11-03 19:28:11) |
14.《ネタバレ》 原作未読。 観る前は、数学の天才が計算(資源や技術、物量など)によって日本の敗戦を証明し、戦争を未然に防ごうとする話だと勘違いしていた。(その方が面白かったかもしれない) 実際には、戦前期における次期建造艦をめぐる海軍内の主導権争いに、菅野演じる主人公が巻き込まれてしまう話であり、戦艦大和の建造をめぐる サイドストーリーとしては面白く鑑賞できた とはいえ巨大戦艦を建造することで、日本が戦争に突き進むことに直結する……だから、それを阻止することが平和に繋がる…… との仮想ロジックだけで、この主人公が周囲の無理解や困難を乗り越え、短期間で大和の建造費見積もりの虚偽を暴くというには、動機が弱すぎる印象を受けた。 一方で、主人公はお約束どおり困難を乗り越え、ギリギリのところで目的を達成する場面は痛快ではあるものの、本当の見せ場をその後に置いている ところに本作のユニークさがある。 結局は史実どおり大和は建造されてしまうわけだが、終盤の主人公はある意味で田中泯ではないかと思えるほど、本作の主題にかかわる重要な役割を演じている。 「なぜ大和は建造されなくてはならなかったのか……」全ては後付の論理であるものの、この終盤における田中の語りは現代に生きる私たちに訴えかけるものがある。 冒頭の大和沈没シーンは山崎監督らしく最新のVFXによりかつてない再現度を実現しているし、戦争映画の幅を広げた意味でも一定のクォリティをもった作品だと思う。 【田吾作】さん [インターネット(邦画)] 7点(2020-09-23 12:09:39) |
13.《ネタバレ》 冒頭の壮絶な戦闘シーンできっちり掴まれました。 そして菅田将暉さんの天才っぷり、ひたむきな正義感、物語を牽引していくに十分な内容でした。 ま、計算の現実味という意味ではいささか疑問が残るのは当然ですが、『それくらい難しい事をやんとかやってのけた』という説得力を与え、そしてそれを覆す田中泯さん。 このひっくり返し方が秀逸でしたね。 ずば抜けた計算能力や教え子との恋を姦通などと揶揄される事に怒る様子が、いかに小手先というか目先のものかと。 そしてそれはゆくゆくは敗戦からの立ち直りのきっかけとなるような目論見があっただなんて。。。 ホントのことはわからない。 なんでも美化すればいいってもんじゃない。 とはいえ、そんな結末も、確かにあったであろう冒頭のシーンのような凄惨な情景を見せられると有無をいわさぬものがあります。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-07-05 20:10:58) |
|
12.菅田将暉の演技がよかった。突っ込みどころもあるが、役者の雰囲気を味わう作品。 【木村一号】さん [地上波(邦画)] 7点(2020-05-16 20:32:44) |
11.原作未読。 最後のオチは蛇足感があったが、総じて面白かった。 どうでも良いけど、数式から概算建造費を算出するのは良いけど、ピッタリにはならないでしょう・・・ 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 7点(2020-04-23 22:26:05) |
10.《ネタバレ》 一人の天才の活躍を描く(ある種のよくある)ヒーロー映画だが、題材の着眼点は相当にユニーク。そして、頭脳明晰(決して頭でっかちという訳でなく、状況に応じて柔軟に行動できる本当に「頭の良い」タイプ)、愚直なまでに実直、かつ剛毅果断な主人公は、軍隊嫌いとか抜かしつつも非常に軍人向きなキャラクターで、話によく合っていた(もちろん菅田将暉の演技も、有能さ&変人ぶり&青臭さと熱さを兼ね備えた素晴らしい出来だった)。 ただ彼も、真にこの騒動の本質を最初から見抜いていた訳では無く、そのことを最終対決の真っ最中に(今まで尽力した見積の計算など無意味だったという衝撃的な事実という形で)思い知らされることになる。戦艦と空母のどちらがより国益に寄与するかが問題なのに、実は誰もそのことについて論じていないという意味不明な会議ではあるのだが、空母陣営も別に空母がより優れていると証明している訳ではないのは戦艦陣営と同じなのだよね。その意味では、実は戦艦の設計に欠陥がありましたという決着は「それを言っちゃあ始まらねーよ」なヒドい取って付けだとも言える。 しかし、だから逆に、ラストはとてもよく出来たドンデン返しだと思う。そりゃそうだ、空母にしとけば戦争を回避できるというのは、山本五十六の真っ赤な嘘だったのだから。 観終わってよく咀嚼すると、対決以降の展開は妙に複雑によく出来ているように感じる(「妙に」と言いたいのは、一見は大和建造の史実との整合性をとるためのコジツケにも見えるからだ)。加えて、観ている最中はそこら辺のイマイチ理解が追い付かない点を感じさせない程に、演技の出来の方が素晴らしい(大体みんな良いのだが、とにかく田中泯が圧巻)。前半の実は意味の無かった見積作業も、結構分かり易くテンポも良くまずまず面白く観れるのは確か(菅田くんと柄本佑の掛け合いも相性抜群)。 ちょっと主人公が万能すぎる点と、前述の取って付けな決着がやや残念だが、総合的にはかなり面白い映画だったと思う。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 7点(2020-01-26 11:57:36) |
9.《ネタバレ》 面白かった。 ラストの二転三転する心理描写は、見応えあった。 山崎監督の中では、この作品が一番好きです。 さて、この調子でオリンピックの総合演出をお願いしますよ~ 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2020-01-13 19:20:32) |
8.《ネタバレ》 数学で戦争を止めようとする男と巨大戦艦で戦争を終わらせようとする男が机上で激突。戦艦の材料となる鉄の重量から戦艦の建造費を割り出す関係式を導く過程がよく練られていた。ムキになったときの橋爪功のマヌケ面がおもしれえ。怪演だね、これは。戦艦大和は戦争に勝つためでなく、負けるために造られたということか。ちょっと無理あるけれど、新解釈だね。さすがは山崎貴監督。良作。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 7点(2020-01-05 03:24:27) |
7.《ネタバレ》 冒頭の米軍飛行艇の救出シーンと、国家の行く末を決める会議シーンでの罵り合い。 ここに現代社会に通じる日本そのものと、アメリカの大きさが凝縮されてたのではないでしょうか。 これをアメリカ人を1人も出さず描いた技量と脚本に脱帽しました。 ただ、大和を依代に…という考えは承服しかねます。 【パンツァー・フォー】さん [映画館(邦画)] 7点(2019-12-23 18:40:36) |
6.《ネタバレ》 太平洋戦争、そして戦艦大和・・・このオーソドックスにして出し尽された感があるテーマに真っ向から挑み、 結果、本作は新鮮な印象をもたらしたと思います。 最初からド迫力映像でしたが、邦画ではあれくらいの分量が予算限界なのかもしれません。 これを潔く冒頭に持ってきたのが功を奏し、一気に惹き込まれました。 これで出落ちになり尻すぼみになるのが邦画の有り勝ちなパターンですが、 本作は、目まぐるしいラストの攻防で見事にバランスよく仕上がっていたと思います。 この辺り、流行の池井戸ドラマ的な要素と重なって抜け目ない感じがします。 もっとも演者の充実ぶりがあってこそです。 個人的には舘さんにあまりしゃべらせなかったのが良かったかなと(^^; 【午の若丸】さん [映画館(邦画)] 7点(2019-09-02 23:54:58) |
5.《ネタバレ》 「戦争映画らしくない戦争映画」の中では、「面白くなくはない娯楽作品」って感じでしょうか。 あっ、決して貶しているわけではありませんよ。 「天才数学者が理論武装で大和建造阻止のために奔走する」っていうストーリーは、自分のような理系人間からすると…、めちゃくちゃ面白いじゃないですか! 分かりやすくするためなのか、軍の人間がアホに描かれすぎてたり、お嬢様の登場で物語がトントン拍子で好転するご都合主義は気になるけれど、「理論派のガチガチ人間が、最終的に自分自身の感情に負ける」というオチは悪くなかった。 主演の菅田将暉。 「何でも測っちゃうぞぉ!」という設定は、人物造形的には安直すぎてどうなの? って思わずにいられないし、某テレビドラマでも見たような演技で100点満点ではないけど、うん、頑張ってた(もちろん、彼との良い掛け合いを見せた柄本佑も)。 最後に一つ。 今回も沢山出てた「ザ・CG人間」って感じで違和感ありありのCGエキストラって、映像的に『タイタニック』の頃からほとんど進化してないように思えるんだけど…、これが限界なんですかね? 【チャップリ君】さん [映画館(邦画)] 7点(2019-08-27 17:26:46) |
4.《ネタバレ》 映画冒頭に大和の最期を描き、そこから時代を遡って大和建造に関わる物語を描く、という構成。本来はこの作品の物語の「外」にある大和轟沈のエピソードを、冒頭で我々に見せるのは、ひとつにはスペクタクルシーンの提供、ハッキリ言うとサービスなんでしょうけれど、この構成が成功したと言えるかどうか。そりゃま、確かに我々もその迫力を、ハッキリ言うと楽しむ訳ですが。 ただ、将来訪れる日本の敗北と、この大和の最期とは、物語の上で重ねられている訳だから、それを見せるシーンとしては、あまりに駆け足で、バランスが悪いような気もします。その最大の特徴である「巨大さ」が充分描かれる前に、どこか模型のような機械的な動きで横転し、爆発する大和。 ヤマトつながりで言うと、10年近く前の大失敗(?)を少し思い出してしまうのですが・・・。 と、それはさておき、時代が遡って本編の物語が始まると、もう菅田将暉の独壇場。エキセントリックな言動とオーバーアクション気味の演技で、物語をグイグイ引っ張ります。物事を何でも「美しい!」とか「美しくない!」とか評している姿は、仮面ライダーWのフィリップ役でしきりに「興味深い!」とか言ってたのを彷彿とさせたり。 脇を固めるベテラン勢は控えめの演技で、橋爪功は多少オーバーでコミカルに敵役を演じてますが、舘ひろしの山本五十六も一歩引いた感じ(それでも人柄を表すために、しばしば彼が披露したという逆立ちエピソードなどは盛り込まれてますが)。あくまで熱い菅田将暉と、おそらく同じくらいの熱さを内に秘めた柄本佑を中心に据えて、若い役者さんに存分に表現してもらう、この点は間違いなく本作の魅力となってます。 熱い言動の一方で、図面にじっと見入る菅田将暉の視線。彼の視線、彼の横顔が我々を惹きつけますが、一方、映画の終盤で、敵役である田中泯が、君と自分は同種の人間だ、などといって横顔を見せると、確かにそこには同種の横顔、同種の視線がある。 静かな、しかし圧倒的な説得力を持つクライマックスだと思います。たとえ冒頭シーンが無かったとしても。 【鱗歌】さん [映画館(邦画)] 7点(2019-08-15 16:45:43) |
3.なかなか評判良さそうだったので観に行った。 終盤の展開の出来は良い(数式の証明部分は非現実的だが)。歴史にうまくハマっていてどんでん返し感もある。もっと評価されてもいいと思う映画。もう少し派手な展開も欲しくなるが、押さえたところもいいのかもしれない。 出演陣も概ね上手い。ただし鶴瓶の演技はダメだった。こんなに下手だったのだろうか。これがマイナス要因。 【simple】さん [映画館(邦画)] 7点(2019-08-08 18:38:04) |