1.《ネタバレ》 私は地方出身で、で大学に入った時に上京して以来ずっと東京住まいという人間ですが、幸か不幸かあまりこーいう「階級」を意識する様な人間関係には近付くことなく過ごしてきたのではあるのですね。ただ、ゆーて今作の門脇麦みたいな境遇の方々てのが今なお(ワリと大勢)いらっしゃるのは承知しておりますし、またその意味では今作の2人とゆーのは一見対照的に見える様で、ごく典型的で何より「古典的」という意味では大いに共通点のある女性像をそれぞれ体現してるのかもな…とも思うのです。私よりも更に若い人達だとまた、この感覚にももはや世代格差が在るのかも知れない…とも思いますが、まず私にとってはこの2人とゆーのはごく容易に共感してゆけるというキャラクターではあったのですよね(実際、まあまあ同世代と言っても好い年齢設定でもあるのですし)。
本作は物語としては、この女性2人(⇒特に門脇麦側)のある種の成長とゆーか人生の転機とゆーか、そーいったごくシンプルなモノを描いてゆくお話ではあるのですし、その実際の結末もまた比較的シンプルで分かり易いモノ(⇒何なら所謂ごく「先進的な」=「最近は特に好くある」モノ)だったと思ったりもします。そもそもこの2人って、成長とはゆーてもその元々のスペック(=彼らがそれぞれ属する階級・境遇において求められる素養)とゆーのは全く全然低くないという感じではあるので、だから何かそんな劇的な展開があるというワケでもない全体として実に緩やかなお話でもあったとは思います。率直に序盤が(その階級の存在そのもののイヤらしさを見せつけてくる感じが)結構心地好くなくもあったのですが、中盤以降は非常にまろやかにどこか温かく観てゆけたし、また爽やかに観終わることも出来たかと。個人的にはかなり好みな作品でしたね。
主演の2人、まず門脇麦さんについては、やはり序盤に「いま何やってんの?」と訊かれて「家事手伝いとゆーか…」とか答えちゃうトコロなんかにはかなりギョッとさせられもしたのですが、重ねて最後まで観るとごく共感できるキャラではありましたし、また終始決してヴィヴィッドに感情を発露するワケでもないのに実に何とも「伝わる」種々の演技とゆーのはモ~流石だったな…と思いました。他方、水原希子さんの方も、重ねて彼女の方が当初の門脇麦さんよりはやや「人間が出来ている」という感じかなとも思うのですが、そのサバサバとした自然体な魅力とゆーのはコレも自然に伝わってくる様でその意味では中々好い演技の仕事だったかと。他、この2人のそれぞれ親友役の石橋静河さんと山下リオさんの2人も(コレも流石の)芸達者!というグッドな出来だったと思います。人間ドラマとしては、演技面でもチャンとクオリティ備わってる作品かなと。