2.《ネタバレ》 戦争というものは本当に悲しい行為だとひしひしと感じる作品です。壁を隔てての天国と地獄。命を賭けたリアルな隠れんぼ。少年の勇気を支えたのは「家族の愛」と一冊の「ロビンソンクルーソー」だった。少年の直向きな生への挑戦、父親を一途に思う純粋な気持ちに心打たれる。
水が無いので仕方無く酒を飲んで酔っぱらってしまう少年。父親と叔父さんの幻影がセピア色で表現されるこのシーンは、最後の父親登場のシーンに生きてくる。少年と同じように、見ているこちら側も夢なのか現実なのか混同してしまうように仕込まれた演出は非常に上手い。