3.あまり見返したい映画ではないのですが、すごく印象に残っている映画です。
マリリン・モンローとクラーク・ゲーブル。本作が主演の2人共に遺作となってしまいました。
また本作から数年後、モンゴメリー・クリフトも若くしてこの世を去りました。
邦題「荒馬と女」よりも”適合できない者たち”という原題がとてもよく分かる作品です。
ラストでゲーブルは「時代は何もかも変わってしまった。新しい生き方を探さなきゃな。」と言う。
この台詞を象徴するかのようなモノクロ映像の中にいる、時代から置いてけぼりになってしまったような哀愁漂うカウボーイ達。
そしてマリリン演じる時に精神的な不安定さを見せる離婚したばかりの女。
終盤、馬を取り囲む男達に対し、荒野の真ん中で泣き叫び感情を爆発させるマリリンの姿には胸が張り裂けるようです。
彼女の中で、この役を演じる女優マリリンと、この頃の1人の女性ノーマ・ジーンの境界線はどこにあったのでしょうか・・・。
しかし50年代の作品で見せるような天真爛漫さは無いですが、時折無邪気さも見せる本作のマリリンはとても美しい。
今に見ると何とも言えない悲しさを感じる作品です。