3.《ネタバレ》 ジュードロウ様が甘くも美しすぎるヴァンパイア映画でした。
ヴァンパイア映画らしい悲壮感に満ちたメランコリックな雰囲気があって良いと思います。
独特なのはヴァンパイアを、まるでシリアルキラーを描いたサスペンスのようにも描いているところです。
シリアルキラーが絵を描いたり、殺した相手の持ち物を収集したりというような習性を、
まるでヴァンパイア映画らしく美しくロマンチックにやっているところが良いです。
これまで見たヴァンパイア映画では、ヴァンパイアとは愛に飢えた化け物であると僕は解釈していますが、
この映画では血を愛であるかのように例えているところがなんとも面白いと思います。
血(愛)に飢えて苦しむヴァンパイアの姿はまるでシリアルキラーのようでもあります。
この映画のヴァンパイアは血=愛というヴァンパイア式の愛を得ることよりも、
むしろ人間らしく自分の身を滅ぼすことを決意した誇らしさがなんともロマンチックで悲壮的だと思います。
最後は少し怪しいところもありましたが。
「人間が横になるとき、哺乳類が横になってそれから爬虫類が横になる(うろ覚え)」
ちょっと印象的なお話が物語中にあります。
爬虫類の話で本能を表してましたが、最後で危うく人間のところの理性が勝ったみたいです。
この話の爬虫類とはジュードロウ演じる人物に潜むヴァンパイア性のことだと思います。
この映画ではある人物に焦点を当て、その二面性をうまく描いています。
始まりと終わりの霧に包まれたような幻想的な雰囲気は素敵でした。
地味めかもしれませんが普通のヴァンパイア映画とはまた一味違う独創的な感じがあります。
男の僕でもジュードロウのあの目で見つめられたらヤバいと思った。